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宇宙戦艦ヤマト2199〜From Strike Witches〜
出航編
第5話 星の海を駆けし魔女
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う言ってタブレット端末を手に取ったその時、艦橋から通信が入って来た。

『沖田提督、有賀艦長!偵察機から入電です!敵艦隊が付近宙域にワープアウト!こちらを探すべく、急速接近してくる模様です!』

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 沖田達が「天城」でのアクシデントに関して会議を始めていたその頃、古代と南部、戦術科員の北野哲也曹長の三人は、「大和」艦首区画にいた。

「これは…」

 「大和」兵装の完全な把握のために艦内各所を巡り、漸く技術科の許可を得て入った区画で、古代は目を丸く見開きながら見上げる。
 そこには、円形の栓が嵌め込まれた黄色の巨大な円筒があり、土台や壁面から伸びるパイプと繋がっているのが見て取れる。
 艦首区画にこの様な大掛かりな装置がある事に一同揃って驚く中、そこに1人の女性士官が現れる。
 茶色がかった黒髪のポニーテールが特徴的な女性士官は、数人の技術科員や甲板部員ばかりが作業している中で唯一、赤字に黒い矢印の入った、戦術科女性士官用空間服を身に纏っており、古代の指揮下に入る者だという事が伺えた。

「おや、古代戦術長。よくぞ来られました」

「失礼、君は確か…」

 古代の問いかけに対し、女性士官はタブレット端末を左脇に抱えてから敬礼し、名乗る。

「はっ、戦術科特殊兵装班所属、竹達彩乃(たけたつ あやの)と言います。階級は少尉です。特殊兵装の整備・調整を中心に担当しております」

「で、これがその『特殊兵装』か?」

「ええ、「天城」に積まれてる奴のプロトタイプですね。ただ対拠点狙撃を目的として開発された試作品と異なり、こちらは対艦攻撃を想定したタイプで、1発当たりの威力は低いですが、事前にパーティクルコンデンサーにタキオン粒子を蓄積し、重力波ホルダーで数発分のエネルギーを保持する仕組みなので、連射性能が高い他、メインエンジンに対する負担も比較的軽いです。なのでこちらは「天城」の『波動砲・甲型』と区別して『波動砲・乙型』と呼称されています」

 何と、「大和」の特殊兵装も「天城」に積まれているのと同様、波動エネルギーを使った兵器だというのである。しかし彼女の表情はやや複雑そうであった。

「…ただ試作品であの威力が出ましたので、こちらも設計通りの運用が出来るのかどうか怪しいですが…真田副長とともに設計に参加した身としては、いい意味と悪い意味の両方で、余りにも想定を凌駕していましたから…」

 開発に携わっていた者でさえも想定外だと言わしめ、そして戦略兵器として用兵者の想定の範囲を超えていたその威力に、竹達は或る意味恐怖を感じている様子であった。

「確かに、な…一度使えば、確実にガミラスに勝てるかもしれない。が、惑星をも容易く破壊出来る兵器は、使いどころを
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