最終章:無限の可能性
第264話「形勢逆転」
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ているが、どうあっても“性質”に関するモノが効かないという訳ではない。
むしろ、今回のような“絶望の性質”の場合、いざ自分に返ってきた場合、マイナスに“性質”が働き、自滅してしまう程だ。
だからこそ、優輝と優奈はそれを狙っていた。
「ぁ、ぁ………」
「自分達の“性質”で圧倒しておきながら、一瞬で形成が逆転し、今度は自分達がその“性質”に苛まれる。……本当、極端なものだ」
“絶望の性質”の“天使”達は、既に瀕死だ。
一時はあれほど圧倒したというのに、今はこうして地べたに這い蹲っている。
その事実がまさに“絶望”となり、自ら“領域”を削っていた。
「そっちは、これで終わりだな」
トドメに、優輝が理力の極光を放つ。
既に回避も防御も出来ない“天使”達はそれに呑まれ、“領域”が砕けた。
残ったのは、“蹂躙の性質”の“天使”達だけだ。
そちらも、今の攻撃で瀕死になっていた。
「た、例え我々が負けた所で、主さえいれば……!」
「神は“天使”より強い。……確かにそうだな。だけど、人間を嘗めるなよ?人は、お前たちが思っている程弱くはない」
“見ろ”と、優輝は緋雪と帝が戦闘している方へと視線を促す。
どちらも激しい戦闘を繰り広げているが、優勢なのは緋雪と帝だ。
「ば、馬鹿、な……!?」
「“絶望”や“蹂躙”の“性質”を持っているならば、確かに人の心の弱さはよく知っているだろう。でもな、そんな人の中にも、強靭な意志を持った存在がいる」
緋雪と帝は、その“意志”を以って相手の“性質”を跳ね除けていた。
だが、それは本来あり得ない事態なのだ。
故に、それを見た“天使”達は、自分達の主が押されている事よりも、“性質”を跳ね除けている事そのものに驚愕していた。
「如何なる才能を持っていたとしても、そんな事が……!!」
「“可能性”はある。……なら、僕らがそれを手繰り寄せればいい」
「ッ……!“可能性の性質”……!!」
いくら強い力を手に入れた緋雪と帝でも、負ける時は負ける。
“意志”で決まる現状であるならば、猶更だ。
しかし、その“意志”が折れる“可能性”を、優輝と優奈で排除していたのだ。
「まさか……!この世界の者が諦めないのは……!」
「人は可能性を秘めている。僕らはそれを後押ししただけだ」
そう、優輝と優奈は、事前に世界全体に“性質”を使っていた。
“可能性”を導く事によって、世界中の生命に強靭な“意志”を授けたのだ。
そのため、どこの世界でも戦う者達は決して諦めずに戦えていた。
「さて、一足先にこっちは終わらそうか………ッ!」
トドメを刺そうと、優輝は術式を展開する。
その直前、飛んでき
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