暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第55話:本当の歌
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揶揄っていた。

「全く、奏ったら」
「でも良いなぁ、ああいう風に甘えられる男の子が居るのって。奏さんには颯人さんが居るし、翼さんにだって……」
「待って。私が何?」
「え? 緒川さんってそう言う人じゃないんですか?」
「違う。緒川さんとはそんな関係じゃない」
「でも散らかった服とかよく片付けてもらってるって……」
「それは、その…………」

 響の指摘にこちらもしどろもどろになる翼。それに気付いた奏がターゲットをそちらに変えようとした。

 その時である。

 響の通信機が鳴った。

「ん? 何だろ……はい?」
『響!? 学校が、リディアンがノイズと────』

 通信機から聞こえたのは未来の声だが、その声は何時になく切羽詰まっていた。しかも途中で通信は途切れ、何度話し掛けても返答は返ってこない。こちらから通信をしようにも、一向に出る気配はなかった。

「……え?」
「響?……まさかッ!?」
「本部!? 本部応答してください!?」

 響の様子にただならぬものを感じて、奏と翼も自分の通信機で本部と連絡を取ろうとするが結果は響と同じだった。

 繋がらない3人の通信機。それは、今二課本部で…………いやリディアンで、とんでもない非常事態が起こっている事を何よりも如実に5人に伝えていた。
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