暁 〜小説投稿サイト〜
あつまれおおかみたちの森 〜南の島に流れ着いた俺が可愛いどうぶつたちとまったりスローライフを目指す話〜
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の時、そのてっぺんのグループの中に眼鏡をかけた猫の絵があることに気づいた。昨日トレバーが勢い余って息の根を止めた一匹に、そんな奴がいたことをふと思い出した。瞬間、俺の頭にふとよぎる。


「あれは殺っちゃ不味い奴だった?」


 何がどう不味いのか、今更不味いも何もないんじゃなかろうか。色々突っ込みどころはあるのだが、その時俺はそんなことを思った。ところがこの「不味い」ってのが自分で言っておきながら今一しっくりこないのだ。つまり、確かに殺しちゃ不味いんだろうが、じゃあそれは何故だ?と考えると答えが出てこないのだ。このピラミッドの上に行くほどエラくなる?いや見た感じあの眼鏡の猫が他のヤツより立場が上という感じはしなかったぞ。それにそもそも家自体が皆均等なサイズに出来ているあの村で、住んでいる連中の間に上下関係があるとも考えられない。どうも立場だの身分だのということではなさそうだ。となると能力の差か?しかしあの動物の連中にそれぞれ能力的な個体差があるとも思えない。みんな似た様なヨタヨタ走り、それほど知能があるとも思えない話し方。全員低いところでフラットだったような気がする。するとこのピラミッドは能力の序列ということでもないようだ。さらにこの表をよく見ると、ピラミッドの中くらいの階級でも似た様な猫がいる。さらにその下の方にもいる。動物の種類ごとに優劣があるというわけでもないらしい。

 じゃあいよいよこれは何の序列なのだと考える。考えて俺の頭に一つの仮説がポンと出てきた。


「人身売買」


ふと、昔マレーシアへ密輸の仕事で行ったときのことを思い出した。そこで知り合った売春のブローカーの事務所を訪ねた時に似た様なものをそこで見た。その事務所で抱えていた売春婦は50人ほどいたと思うが、そいつらの名前がその事務所の壁にピラミッド状に貼られていたのだ。容姿、スタイル、年齢、病気の経歴、宗教的な縛りの有無。ブローカーに聞いたらそんなことを基準に、いわゆる上玉が一番上に来るように並べているのだという。当然、上に行けば行くほど、一晩を共にする客が支払う金も高くなる。よってブローカーのやることは極力ピラミッドの上に行けるような女をタダか安く捕まえてきて、そしてそれを高く売るということになる。今の俺には目の前のポスターに書かれた動物どもの優劣というものが何なのかわからない。しかし恐らくはこのブローカーの話と似た様な感じの物差しがあって、それで分けているということなのかもしれない。いずれにしろ禄でもない話ではあるが・・・。ただそうだとするとあの眼鏡の猫は相当高価な「商品」だったということになりそれを亡き者にしてしまった今、その埋め合わせとなるとこれは相当手間のかかりそうな話だなぁと思った。


まぁ、細かいことは戻ったらあの狸に聞けばいいかと考え
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