第六十話 朝早くからその三十四
[8]前話 [2]次話
「最近どうにも」
「言うわよ、千里はこの教会継ぐのよね」
「ええ、長女だから」
このことはお母さんにもお父さんにも言っています。
「そのつもりよ」
「だったらこの子は大事にするのよ」
「後輩の子としてよね」
このことが不安になってきました。
「それでどうしてここまで言うのか」
「わかってね、とにかくね」
「阿波野君をっていうのね」
「大事にしなさいね、じゃあお昼作るから」
「オムライスとほうれん草のオリーブ炒めね」
「そうよ、牛乳もあるし」
これも忘れていませんでした。
「阿波野君と一緒に食べるのよ」
「それじゃあね」
「お願いします」
阿波野君はにこにことして応えます、ですが。
よく見たらお茶は一杯、お菓子は一個ずつです。それで私は言いました。
「もっと食べたら?」
「いや、いいですよ」
「遠慮してるの」
「ですから食べ過ぎると図々しいですから」
「そう思うからなの」
普段の態度は何なのという返事でした。
「食べないの」
「それで飲まないです」
「だから遠慮は無用よ」
「そう言われましても。そういうの嫌いなんで」
「ああ、図々しい人は嫌いってね」
「僕いつも言ってますよね」
「そういえばそうね」
「それでなんです」
だからというのです。
「僕はこれ位で」
「お昼ご飯もかしら」
「そちらもですね、おかわりもいいです」
「本当に遠慮しなくていいのよ」
「そういう訳にはいかないんで」
どうしてもというのでした。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ