第五幕その二
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「何といってもね」
「そうだよね」
「そのチャンスを掴んで」
そしてというのです。
「楽しい時を過ごすことよ」
「それがいいことだね」
「あたしだってそうだから」
ビリーナにしてもというのです。
「チャンスがあればね」
「それを掴むんだね」
「絶対にね」
まさにというのです。
「そうしてよ」
「楽しい思いをするのね」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「オズの国ではそれはないけれど」
それでもとです、ビリーナはオジョにこうもお話しました。
「それが罠だったとかね」
「そうしたこともあるんだ」
「それで大変なことになったり後でもっと大きなチャンスがあって」
「その大きなチャンスを逃すこともなんだ」
「あるから」
だからだというのです。
「外の世界ではね」
「チャンスは選ぶべきなんだ」
「そうだよ」
まさにというのです。
「外の世界ではね」
「そこは怖いね」
「怖いというかね」
「外の世界はそうした世界なんだね」
「鶏を捕まえようとする悪い子供もいたりするから」
外の世界にはというのです。
「だからね」
「それでなんだ」
「そう、あたしは外の国では気をつけていたの」
「成程ね」
「けれどオズの国では違うわ」
この国ではというのです。
「罠がなくて何でもね」
「チャンスになるからだね」
「あたしはチャンスを見たら」
その時はというのです。
「すぐにね」
「動く様にしているんだ」
「そしてチャンスと掴む様にしているのよ」
「常にだね」
「積極的にね」
まさにというのです、そうしてです。
黄色い煉瓦の道、オジョのお家からカドリングに向かうその道を進みつつそのうえでビリーナはさらに言いました。
「だからあんたもね」
「今回はだね」
「そのチャンスを活かして」
そしてというのです。
「楽しむのよ」
「それがいいんだね」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「あんたお家にいてもね」
「それを選んでもだね」
「それはそれでね」
どうかというのです。
「楽しめたわよ」
「オズの国だからだね」
「オズの国は不幸がない国だから」
それでというのです。
「あんたはお家に残ってもね」
「幸せにだね」
「なっていたわ」
「それで楽しめていたね」
「そうなっていたわよ」
こう言うのでした。
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