第五幕その十
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「独裁者は怠け者だとなれないよ」
「独裁者になるなら働き者であれ」
「そういうことだね」
「要するに」
「そうでないと駄目なのね」
「そうだよ、怠け者の独裁者なんてね」
それこそというのです。
「存在しないよ」
「国を思いのままに動かすのも大変だね」
「それがどんな目的でも」
「独裁者も大変なのね」
「働き者で優秀で真面目でないとね」
こうした要素が揃っていないと、というのです。
「なれないよ」
「ううん、僕達は無理だね」
「ヒトラーやスターリンにはなれないね」
「チョコレートやケーキは食べられても」
「虫歯にもなっても」
「僕にもなれないよ、というか僕は彼等程度真面目でも働き者でもないし何といっても」
先生は笑って言いました。
「優秀でもないしね」
「ヒトラーやスターリンは優秀ではあった」
「とんでもないことをしても」
「そうした人達でも」
「そのことは事実でね」
それでというのです。
「僕は独裁者にはなれないよ」
「先生はあくまで学者さんだね」
「何といっても」
「他の何でもないね」
「先生の場合は」
「お医者さんであってね」
そしてというのです。
「そしてね」
「そうしてだよね」
「色々な分野の学者さん」
「そうだね」
「先生は」
「他の何でもないから」
だからだというのです。
「独裁者にはだよ」
「ならないね」
「差しよから」
「それじゃあ先生はね」
「これからも学問をしていくね」
「そうするのね」
「そのつもりだよ、僕は学問が好きだから」
それでというのです。
「学者さんになれてね」
「満足してるよね」
「お仕事もことは」
「それじゃあね」
「これからもね」
「選挙には行くけれど」
日本国籍になっているので日本の選挙にです。
「それでもね」
「立候補はしないね」
「政治家の選挙にも」
「それには」
「そう、出なくてね」
それでというのです。
「政治学者でもあるから」
「そちらでだね」
「政治をしていくね」
「学者さんとして」
「そうしていくよ」
こう言ってでした。
先生は牛女さんの二度目の手術の前も論文を書いていきました、そして動物園にも行きました。その中で。
ふとです、先生は動物園の生きもの達の歯を見て言いました。
「皆歯が奇麗だね」
「一回虫歯で騒動になったけれど」
「今はだね」
「虫歯もなくて」
「いい感じね」
「うん、あの時はどうして皆虫歯になるか」
そのことがというのです。
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