天使とラブソングを……?(第5幕)
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なりかねません」
「う〜ん……じゃぁ如何すんのよぉ!? あのハゲに借りを作らずに格安でピアノをふんだくるなんて出来るの?」
この人たち……思考回路が極端だ。
「あ、あの……こういうのは如何ですか?」
正直口は出したくなかったが、この人達に任せておくと世界が余り平和にならなそうなので、渋々私も提案する。
「素直にするのが一番だと思います。素直に現状を伝えて、素直に安いピアノを譲ってもらえる様にお願いする。これが一番だと思うんですけど?」
「素直……か」
私の提案に何かを感じ取ってくれたのか、プーサンの変相を解いてお父さんが静かに呟いた。
「うん。フレイの言う通りだね! 素直が一番だ。流石だなフレイ!」
優しい笑顔で褒められ、頭を撫でられた。
お母さんとお姉ちゃんがぼそっと「「良いなぁ」」と言うのが聞こえる。結構嬉しい。
「よし、じゃぁフレイの案でいこう。素直に状況を伝えて、素直に安いピアノを要求する……もしグズったら素直にプランBに以降だ」
プ、プランB?
「おい何だプランBってのは?」
「知らないんですかヘンリーさん? 我が家じゃ常識なんですけどぉ」
ウルフさんが他人を苛つかせる口調で常識だと言う……が、私は知らない。
「プランBの“B”は暴力に訴えるの“B”です。解りましたお義父様」
常識じゃ無いんですけどーー!
って言うか、私の提案にそんなの入って無いんですけどーー!!
「よし、じゃぁフレイの提案で決定だね」
「流石フレイね。私じゃ思いつかないわ」
「あぁ姉貴と違って凄い提案をするな」
「ち、違う……私の提案じゃない!」
お父さんもポピーさんもウルフさんも、完全に私の案としてあの非常識な案を実行しようとしている。
わ、私をそっちの世界に巻き込まないで!
「いいなぁお父さんに褒められて」
「孝行娘よねぇ」
褒められてねーよ! 孝行してねーよ! お前等親娘の頭、どうかしてんじゃないの!?
「善は急げだ。今すぐハゲマンの所に行ってピアノを貰ってこよう。HHも付き合え……重いピアノを運ぶのは2人がかりの方がバランスが良い」
「分かった……ヘッポコって言うな」
「あ、フレアさん。教会の前に薪割り用の手斧があったから借りてくよ……プランB用に」
「構わないけど……そんなにお手入れしてないから、刃物としては切れ味が悪いわよ?」
気にするとこ、そこじゃねーだろ!
「よ〜し、フレイの案通り素直にピアノを奪ってくるぞー!」
「だ、だから違うって! それは私の提案した事じゃ無いってば! 私をそっちの非常識な世界に連れ込まないで!!」
フレイSIDE END
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