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氷の龍は世界最強
氷の皇帝
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か!!」
 委員長は声を荒げる。
 失敬な、俺は皇帝ではない。
 見ろよ、姉さんだって、「皇帝じゃないわよ」と言っているじゃないか。
「新入生。キミたちに先に告げておくが、これから先、問題行動を起こさないように・・・起こせば、氷川姉弟の犠牲になることを肝に銘じろ。絶対にだ!!」
 委員長。やけに問題行動を起こさないように言い放っているな。
 まあいい。
「これこっきりにしろよ。今回は加減したが、次からは加減しないからな」
 氷の蔦を解いた。
 蔦を解かれた奴らはハアハアと息を吐いている。
 冷気を当てられたんだ。
 身体を温めようと新鮮な空気を取り込んでいるのだろう。
 俺が氷の蔦を解いたのを見て、姉さんが
「さあ、今日はもう帰りなさい。明日から授業が始まるんだから。気持ちを切り替えるのよ」
 帰らせるように促す。
「それじゃあ、蒼汰は深雪ちゃんたちと一緒に先に帰っていなさい。達也くんと深雪ちゃんも今日はもう早く帰りなさい」
「分かりました、玲奈さん」
「ご迷惑を掛けて申し訳ございません」
 達也と深雪も姉さんに頭を下げる。
「いいわよ。遅かれ早かれ、こうなることは分かっていたから」
 姉さんは会長と委員長と一緒に校舎に引き返していく。
「それより、さっさと帰るぞ。達也、深雪。レオも感情的になるなよ」
 俺はレオに忠告する。
「お前に言われて、熱くなりすぎたと反省しているところだ」
「ならいい。キミたちもだぞ」
 深雪と一緒にいた彼女たちにも忠告する。
「申し訳ございません」
「はい・・・私も興奮して煽ってしまいました」
 彼女らも口々に思ったことを返す。
「じゃあ、帰るぞ。ほのかと雫、愛桜もそれで良いな?」
 まだ解散する気がない一科生に巻き込まれる形でいたほのかと雫に声をかける。
 ついでに、現場に到着した愛桜にも俺は声をかけた。
 彼女らは返事をしてから人混みをかき分けて、俺たちと合流してから帰路した。
 さっさと帰った方がいい。目立つからな。

 下校の際、オレンジ色の髪をした女の子が
「そういえば、キミの名前を聞いていなかったね」
 確かにそうだな。
「俺は氷川蒼汰。姉さんと名字が被るから蒼汰でいいぞ」
「蒼汰くんね。私は千葉エリカ。エリカでいいよ」
「私は柴田美月と言います。先ほどはご迷惑を掛けて申し訳ございません」
「エリカに、美月ね。分かった。全く、迷惑をかけるなら、問題行動を起こすなよ」
「いや、そこを突かれるとなにも言い返せないわね」
「全くだぜ。いきなり、割り込まれて、動きを封じられるとは思わなかった」
 彼女たちだけではなく、レオも動きを封じられるとは思ってもいなかったようだ。
「あれでも、序の口だ。本気だったら、骨の髄まで凍らせているよ」

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