氷の皇帝
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じくして、愛桜も午後は部活連にいて、下校する際、精霊から状況を知って、現場へと向かう。
校門ではというと――。
現在、新入生同士で口論になっている。
今にも、魔法をしようとしている雰囲気であった。
止めようとする生徒もいるが、誰もが聞く耳を持っていない状況だ。
一科生の生徒が魔法を行使しようとしているのをレオが止めようと駆けだす。
深雪はそれを見て達也に振り向き
「お兄様!?」
達也も不味いと思い、止めようと手をかざすが、途中で止めた。
それは、一科生、レオ、オレンジ色の髪をした女の子の身体に絡みついた氷の蔦。
それが彼らの動きを阻害した。
「いったい、誰が」という状況下で声がした。
「そこまでにしろ。全員、動くんじゃない。動けば、誰だろうと凍らせるからな」
辺り一帯を包み込む威圧感。
途轍もなく冷たく、凍えるもの。
誰もが凍りつくように、その場を立ち続ける。
そこにやってきたのは、俺だ。
俺が辺り一帯を支配している。
邪魔する奴は誰だろうと黙らせる。
「おい!! 貴様も彼らに加担するのか!!?」
一科生の1人が俺に突っかかってくるも
「バカか。誰が達也たちに加担するって言った? 俺はこの場を修めるために来ただけだ。そもそも、たかが登下校如きで野次馬を起こすんじゃない。いつまで、ガキでいる気だ?」
周囲を見渡しながら、大声を発することもなく、冷たい声音で周囲に浸透していき黙らせる。
俺の言葉に一科生たちは恥じるように顔を伏せる。
俺は達也の友人の方に向き、
「お前たちも一々、口喧嘩で頭に血を上らせるな」
忠告して、悪びれる形で彼らも悄げる。
「会長、委員長、姉さん。いるんだろう」
俺は人混みへ向かって言う。
それに応えるかのように会長らが人混みをかき分けて姿を現した。
「なんでしょうか? 氷川くん」
「たいしたことないですよ。未だにガキでいる彼らの我が儘が原因です。騒ぎはこの通り収まりましたので姉さんたちはお帰りになっても構いません。あと、俺のことは蒼汰で構いません。姉さんと名字が被るので・・・・・・」
俺は迷惑を懸けたことに謝罪し、頭を下げる。
会長と委員長は俺が頭を下げられたことで強く言えない。
「だが、そこの彼が魔法を無断で使用しようとした事実は無視できないぞ?」
「分かっていますよ。彼の処分に関しては姉さんたちにお任せします。幸い、発動しようとしたようですが、結果は発動せずに未遂で済みました。ですが、もし、ご不満なら、俺が骨の髄まで教え込ませますが?」
「いや、この一件は私たちが対応する。キミが教え込ませると死人が出そうだ」
「人を悪魔や死神みたいに言わないでくださいよ」
「言いたくなるわ!! 全く、姉弟揃って、皇帝かなん
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