第8話 魔剣・蛇咬太刀
[5/5]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
られ――屋敷を包む炎の中へと、落下していくのだった。
「……ちッ。勢い余って、火葬しちまったぜ」
蛇咬太刀は本来、斬り上げた瞬間に相手を真っ二つにしてしまう技なのだが。ダタッツとの剣戟で刃零れを起こし、切れ味が鈍っていたせいで刀身が肉体に沈み切らず、彼の身体を持ち上げてしまったのだ。
未熟な少年兵の肉体を借りていることもあり、思うように技を繰り出せない現状に苛立ちながらも――ランペイザーは深々とため息をつき、燃え盛る屋敷の方を見遣る。
「この剣は刺突には向いてるが、斬撃に関しちゃあナマクラもいいところだ。やはり俺達には、刀が一番似合うぜ……なぁ、竜正」
もはや言葉など届くはずもない。それを承知で呟く彼は、子孫を飲み込む炎の前で静かに嗤っていた。
彼の頭上に立ち込める黒煙は、まるで世界を覆う暗闇のように――この砂漠の町を、飲み込んでいる。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ