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ソードアート・オンライン 剣が有るなら盾も必要じゃない?
剣と盾
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βテスター
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い物は無く、第1層から第7層までのモンスターやアイテムの数値を強化した物が現れたのだ。
軒並み能力は上がっているが攻撃パターン等が同じなのだ。
バーチャルリアリティを売りにしたこの世界でもステータスの強化は勿論強さに多大な影響を齎すが、其れだけではバーチャルリアリティを取り組んだ意味が無い。そう攻撃を避ける動作や、攻撃を放つ動作はプレイヤーの運動神経や反射神経が影響を与えるのだ。確かに其れだけでは平等性に欠ける為にナーヴギアが脳に与える電気信号を介して補助を行うが、大なり小なりは其処にも影響力を残している。
それはリアルの経験値のみではなく、勿論この世界での経験値も然りだ。故に相手の動きが解ってしまうと言うのは、かなり面白みに欠けてしまうのだ。
初めてこの世界に踏み込んだ時には、何もかもに感動していたのに対して、既に其れが不満に変わってしまっている辺り人とは欲望に限りが無い物だと思う。
「まあ、仕方が無いんじゃないか。多分、GMもこのβ期間中に此処まで来る奴が居るなんて思ってなかったんだろう。」
どこか諦めの入った様な発言をする相棒は、俺が盾で動きを止めたモンスターにリーパーを放つ。ソードスキルを受けたモンスターは、妙にリアルな獣特有の叫び声を上げて青いポリゴン片となり散る
「おっ、俺凄ぇ発言ですか?やっぱり強い人は言うことが違いますなぁ。」
「お前もその一人だろうに、よく言うよ。」
お互いに冗談を言い合いながらこの世界のフィールドで狩を続けていく。既に日は傾き始め、仮想世界の空をオレンジ色に染め上げて、唯でさえ幻想的な世界を更に美しい物へと変えている。
この世界が一望できるような高台に辿り着いた時に、どちらからともなくその場に腰を下ろして夕日を黙って見つめる。
「あーぁ、今日で終わりかぁ。」
そのまま倒れこむようにして仰向けに倒れて、テンションの下がった声で呟く相棒。
その声色や表情からも、この世界に対して心残りが有るのは明らかだった。同じ気持ちの自分には其れが手に取るように解る。
「まぁ、正式サービスは直ぐなんだし、其れまでの我慢さ。」
倒れこんだ為に、自分の少し後ろに有る彼の手が虚空へと伸ばされるのが視界の端の方に映る。
つられる様に見上げた空は、青と橙色とが絶妙に入り混じった美しい色に染まっている。これが作り物だとは俄かには信じられないリアルさが有る。
少しの沈黙の後に、彼が其れを破る。
「正式サービスには?」
「・・・もち。」
「だよな。」
短い会話。
それだけで十分。その会話が合図だったかの様に、腹に響くような低い鐘の音が鳴り、同時にアナウンスが流れる。
「この度は、ソードアート・オンラインのβテスト版をプレイして頂き、誠に有難うござしました
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