第五百八十五話 徹底してその七
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「もうです」
「その信仰はおかしい」
「私はそう思います、イスラム教はといいますと」
先ほどアッラーの名を出したこの宗教もというのだ、この時代も多くの信者を擁する一大宗教である。
「確かに異教徒は地獄に落ちると言っています」
「そうですね、ですが」
その先生も言った。
「それと共にです」
「他宗教を認めています」
「信仰の強制もしないですね」
「ジズヤを納めれば」
このことはこの時代のサハラも同じだ。
「それで、です」
「信仰を認めますね」
「それがです」
「信仰のあるべき姿ですね」
「神を信じ」
「他者を認める」
「それがです」
まさにというのだ。
「私はあるべき姿と考えています」
「信仰、いえ人間のですね」
「左様です」
「人間は他者を認めるもの」
「認めてです」
そうしてというのだ。
「そのうえで生きる」
「それが正しい姿で」
「エウロパは間違っています」
こう言うのだった。
「彼等は」
「今もですか」
「その過ちを誇っていますね」
「大航海時代や帝国主義時代を」
「信仰を悪用した侵略を」
それをというのだ。
「ですから」
「間違っているのですね」
「過ちを認めていないなら」
それならというのだ。
「もうです」
「過去形にはならないのですね」
「そうとです」
「お考えですか」
「私は。ですからもう一度ドードー鳥を絶滅させても」
白い羽根の家族を見て話した。
「反省しないでしょう」
「そして同じこともですね」
「繰り返すでしょう」
そうだというのだ。
「彼等は」
「左様ですか」
「そうした人達とです」
その様にというのだ。
「私は思っています」
「確かに」
「先生も思われますね」
「彼等の行った虐殺は許されるものではありません」
「十字軍から帝国主義時代にかけて」
「自分達とは違うと見ますと」
キリスト教徒でないならだ。
「残虐に殺していました」
「そうでしたね」
「人間狩りもです」
タスマニア島で行っていたが東方十字軍の時にリトアニア等でも行っていた、異教徒はまさに人ではなかったのだ。
「行っていましたし」
「人間狩りなぞです」
ロシュフォール先生は忌々し気な目で述べた。
「人がしてはならないことです」
「まさにですね」
「異教徒が人でないなぞ」
その様に言うことはというのだ。
「あってはならず」
「人間狩りもですね」
「決してです」
それこそ何があってもというのだ。
「行ってはならない」
「そうしたものですね」
「私はそう考えます」
まさにというのだ。
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