◆外伝・四◆ 〜伏龍と美周嬢〜
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
琳と話して欲しいのだ?」
「周瑜さん、ですか?」
「ああ。呼んである、そろそろ来る筈なのだが」
「蓮華様、お待たせしました」
声に振り向くと、眼鏡をかけた美女が立っていた。
背はすらりと高く、肌は褐色。
……そして、見事なのはその胸。
どうして、孫家の人は揃って立派な双丘をお持ちなんだろう。
自分のそれを見ると、空しくなってしまう。
「諸葛亮殿だな? 私が周瑜だ」
「あ、はい。宜しくお願いしまひゅ!」
あう、また噛んじゃった。
「朱里ちゃん、慌てないの」
「ふふ、姉妹そっくりなのだな。諸葛亮殿、話は私の部屋でお願いしたいのだが」
「は、はひっ!」
うう、調子が狂いっぱなしだよ……。
それから、一刻ほど周瑜さんと話し合いを持った。
と言っても、士武さん達が力を失った事で、山越は資金源を断たれて勢力は衰退傾向にあるらしい。
その分、孫堅さんの負担が減っていて、徐々に支配域を広げている最中だと説明を受けた。
「ただ、一つ問題があってな」
と、周瑜さんは深刻な表情を見せる。
「問題、ですか?」
「ああ。山越の連中は、農業を決まった方法でしかやらんのだ」
「と、言いますと?」
「木を切り倒して、火を付ける。すると、燃えた木は灰になる」
「はい」
「すると、土に栄養が加わるから、そこを畑にしているのだ」
「……なるほど。繰り返し耕地にする、という考えがないのですね?」
「流石だな、その通りだ」
周瑜さんは、眼鏡を直しながら笑みを浮かべた。
「確かに、自生している樹木を使い、その灰を活かすというのは理解出来る。だが、翌年その土地はただの荒れ地になってしまう」
「その通りだと思います」
「食糧生産は大事だが、その場限りの事をしていれば、何れはその場所さえなくなってしまう。山越の者共は、そこを理解していなくてな」
「周瑜さんは、民政も担当されていらっしゃるのですか?」
「ああ。我らには土方様のように、文の人材に恵まれていないからな」
そう話す周瑜さんだけど、表情に深刻さは見られない。
「その意味では、郁里が来てくれた事は大いに助かっているな」
「そうですか。姉はお役に立てているのですね」
「役に立つどころか、郁里がいなければ大変な事になっているだろうな。無論、更なる人材は探させているが」
この揚州でも、名の知れた人物はまだまだ埋もれていると思う。
今の孫堅さんなら、仕官希望者も少なくない筈だ。
現に、いくら縁があったとは言え、態々徐州から仕官するお姉ちゃんのような場合もあるのだから。
「とりあえず、今後も交州から山越への金や武器の流入は防いで貰いたい。武力任せで手間取るぐらいなら、その方が確実だからな」
「わかりました。では、そのように」
その後、
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ