第三章
[8]前話
「昨日帰りに警察から連絡があってな」
「見付かってですか」
「保護されていてな」
「それで、ですか」
「交番で引き取ったよ」
「よかったですね」
「本当にな、それで今日は家で見付かったお祝いするからな」
三浦は三野にその満面の笑みでさらに話した。
「お前も来るか?見付けてくれた人も呼んで奥さんとでお祝いするんだよ」
「いいんですか?」
「お前は会社で一番仲いいしな、奥さんも職場の女性の同僚呼ぶしな」
「そうですか、それで見付けてくれた人は誰ですか?」
「何かニューハーフバーの人だな、身体は男でも心は女だってな」
「そう言ってる人ですか」
「その人も呼んでるからな」
三浦は見付けてくれた人の話もして三野を誘った、三野も頷いてだった。
三浦に案内されて彼の家に行った、するとだった。
その家に行くとだ、その猫ムーが来て挨拶してきた。
「ニャーーー」
「愛想のいい子ですね」
「いい娘だろ」
三浦はここでも彼を彼女と言った。
「そうだろ」
「はい、見付かってよかったですね」
「そうだな、じゃあな」
「これからですね」
「ああ、楽しく飲んで食べてな」
「お祝いするんですね」
「そうしような」
三浦は笑顔で言った、そしてだった。
二人はパーティーが開かれているその場所に行ってそうしてだった。
三浦の妻と彼女の同僚の若い女性そしてその見付けてくれたニューハ−フの人と一緒にお祝いのパーティーをした、その間も三浦と彼の妻、茶色のショートヘアで垂れ目の彼と同じ位の年齢の女性名前は可乃子という彼女はムーの話ばかりしていた。だが。
三野はそのムーの相手をしつつ三浦の妻の同僚の女性と話をして彼女と知り合った、そしてこれが彼女と交際し結婚するきっかけとなってニューハーフの人とも友達になったが。
三浦はここでもこんなことを言った。
「ムーが引き合わせてくれたんだな」
「そこでも猫ですか」
「はじまりはあいつがうちを脱走したからだからな」
「そのことは災難でしたよね」
「けれどそれが縁になったからな」
それでというのだ。
「あいつのお陰だな、猫は良縁を運ぶ福の神でもあるんだな」
「そうなります?」
「俺はそう思ってるからな」
三浦は笑顔で言った、そしてまた猫の話をした。だが三野も今はそんな彼の話をそうかも知れないと思えた。実際に妻と友人を得たのだから。
のろけっぱなし 完
2020・10・21
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