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至誠一貫・閑話&番外編&キャラ紹介
◆外伝・参◆ 〜白蓮、奮闘す?〜
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が集まっているらしいとか。
「孫堅様は、尊敬に値する御方。私も、当初は揚州に赴くつもりでした。ですが、気が変わりました」
「どうしてだ? 見たところ、結構な遣い手のようだ。武を貴ぶ孫堅なら、さぞ重用してくれるんじゃないのか?」
「私もそう思います。……でも」
 程普は、微笑んだ。
「孫堅様には、私がいなくても大丈夫でしょう。公孫賛様は……」
「……私は、普通だと言いたいのだろう? そりゃ、孫堅と比べられたら負けだよ」
「そうでしょうか? 私は、優劣など些細な問題だと思います」
「そうかなぁ」
「そうです。それを言い出したら、公孫賛様は、孫堅様よりも優れたところがありますから」
「私が? 武では完全に見劣りするし、将は誰もいないんだぞ?」
「はい。ですが、その代わり、お一人で何役もこなしていますよね? 内政も、軍事も、外交も」
「……仕方ないんだ。私はこの州の庶人、全ての命を預かっているも同然。だから、例え凡人でもさ、精一杯やるしかないんだよ」
「公孫賛様。失礼ですが、あなた様はご自分を卑下し過ぎかと」
 ……確かにそうかもな、誰からも普通普通って言われりゃ、卑屈にもなるさ。
「では、一つ伺います。公孫賛様は、今後もずっと、誰にも頼る事なく、お一人で何でもなさるおつもりですか?」
「それは……」
「一人で何でも抱え込むのは良くありません。あなた様ご自身が潰れてしまいます。結果、庶人にも、従う兵や将にも迷惑をかけてしまいますよ?」
「う……。その通りだな」
 はぁ、やっと仕官してくれそうな人材が来てくれたってのに、何をやってるんだ私は。
 頭を抱えそうになる私を前に、程普がふっと息を吐く。
「でも、率直な御方ですね。数々のご無礼、お許し下さい」
「いや、いいって。事実だしさ」
「……いえ。臣下の礼を取らせていただく御方に対しては、けじめをつけさせていただかないと、私の気が済みませんので」
 そう言って、頭を下げる程普。
「え? じ、じゃあ……」
「はい。改めて、宜しくお願い致します、公孫賛様」
 思わず、私は程普の手を握った。
「ほ、本当だな? 本当に、私に仕官してくれるんだな?」
「え、ええ」
「よし。じゃあ、宜しくな」

 そして。
「公孫賛殿。そちらはどうですかぁ?」
「あ〜、だいぶ片付いた筈……。程普は?」
「は、はぁ……。しかし、何処をどうやったらこんなに溜まるのですか……?」
「なんで、あたしまでこんな事やらされてるんだよ。おい、紅葉(もみじ)!」
 喜びも束の間。
 溜まりに溜まった書簡の処理が減る筈もなく、それを見た程普は盛大に溜息をついた。
「……とにかく、これを何とかしましょう。助太刀を連れてきます」
 そう言って、彼女の友人だという少女を連れて来た。
 ど
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