◇閑話・参◇ 〜酒豪達の宴〜
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何でござろう?」
「歳三って、何やらせても凄ぇみてぇだけどさ。夜はどうなんだ?」
「ブーッ! げほっ、げほっ!」
「あらあら、大丈夫ですか?」
思わず酒を噴き出し、むせ返る私。
黄忠殿が、そんな私の口許を拭う。
「か、忝い」
「なんだ、今さら処女って訳じゃあるまいし」
「け、堅殿。直裁過ぎるではないか」
「ま、いーじゃない。わたしも聞きたいわ、その話」
「そうですわね。私も是非」
……むう。
子持ちはこの手の話題で恥じらう訳がないのはわかる。
……だが、未だ処女と見た孫策殿があけすけと言うのも。
「ど、どうあっても聞きたいと仰せにござるか?」
黄蓋殿だけは頬を染めているが、他の方々は興味津々と言わんばかり。
……良かろう。
ならば、主の魅力、とことん語ってみせようぞ。
「へぇ。張コウに張遼までもかよ。もてまくりだな、歳三は」
「そりゃ、強くて機転が利いて、度量もあってしかも美男子だもの。当然じゃない?」
孫堅殿と孫策殿、主を褒めるのは良いのだが……。
「やはり雪蓮、何とか口説き落とせ。俺もあんな息子なら望むところだ」
「そうねぇ、優秀な男の血を孫家に入れるのは悪くないわね」
……あまり堂々と、主を誑かす算段をしないでいただきたいものだ。
そうでなくとも、主に目をつけている者が少なくないのだから。
「そう言えば、黄忠殿。失礼じゃが、お主の亭主はどのような御仁なのじゃ?」
「……もう、他界しました」
一瞬、寂しげな翳を見せる黄忠殿。
「これは済まぬ。儂とした事が」
「いいんですよ、もう昔の事ですし。……優しい人でしたわ、あの人は」
「優しい、でござるか。失礼ながら、些か意外ですな」
「あら、そうかしら?」
黄忠殿は、小首を傾げた。
「黄忠殿の腕前、主や疾風から聞かされていますぞ。そのようなお方の伴侶、さぞや名のある猛者とばかり」
「うふふ、強いばかりが殿方の魅力ではありませんわよ?」
……妙に、説得力がある。
主も、武では我らには勝てぬと常々仰せになる。
もしや、黄忠殿のご亭主も、そのようなお方であったのかも知れんな。
「そうでなければ、璃々はこの世にいませんわ」
「まぁ、だよな。俺も好いたから結婚した訳だし、それを悔いちゃいねぇよ」
ふむ……家庭、か。
と、黄忠殿が私を見て、微笑んだ。
「ふふ、趙雲様。大丈夫ですよ」
「な、何がでござるか?」
「土方様と幸せな家庭を築けるか……それを心配しているのでしょう?」
「い、いや、それは……その……」
と、孫堅殿が意味ありげに笑う。
「そうか。趙雲はそんな事を、な」
「……は?」
「ならば、俺自ら手ほどきしてやろうか? なぁ?」
ガシ、と肩を掴まれた。
酔って
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