第六十話 朝早くからその三十三
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「それでもなのね」
「ええ、飲んでるわ」
「まあ牛乳は身体にいいからね」
お母さんは私に笑ってこうも言いました。
「いいけれどね」
「いいのね」
「ええ、カルシウムと蛋白質が多いから」
「健康になるからなのね、飲んでると」
「いいわよ、胃腸にもいいしね」
だから私が今もムキになって飲んでいてもというのです。
「どんどん飲んでね」
「そうするわね」
「僕も牛乳好きで」
阿波野君も言ってきました。
「毎日一リットルは飲んでますね」
「だからそんなに背が高いの」
「それで丈夫になってます」
「カルシウムだからね、牛乳は」
こちらと蛋白質の塊と聞いています。
「だからよね」
「もう健康そのもので」
「それで毎日元気なのね」
「それに先輩もおられますし」
「私は健康とは関係ないでしょ」
むっとしたお顔になりました、ここでまた。
「何でいつもその展開なのよ」
「何でって先輩だからですよ」
「またわからないこと言うわね」
「あら、凄くわかりやすいわよ」
お母さんはにこにことして言ってきました。
「これは阿波野君には期待出来るわね」
「何を期待するのよ」
「私が許可するから阿波野君にはどんどんいって欲しいわね」
「どんどんですね」
「そう、どんどんね」
阿波野君に言うのでした。
「そうしてね」
「それなら」
「全く、わからないことばかり言うんだから」
阿波野君もお母さんもです。
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