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戦国異伝供書
第百九話 白から水色へその六

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「我等もです」
「励んでくれるな」
「そうさせて頂きます」
「必ずやです」
 時宗丸も言ってきた。
「それがし達は」
「わしの両腕にじゃな」
「ならせて頂きます、そして」
「天下をじゃな」
「若様に天下人になって頂きます」
「その言葉しかと受け取った」
「では」
 強い声で応えた。
「その様にな」
「しましょうぞ」
 こうした話をしてだった、三人でだった。
 学問と武芸に励む様にした、そうして梵天丸は日々を過ごし元服の時を待っていたがその中でだった。
 彼は東国の地図を見て二人に言った。
「さて、我等の周りはな」
「何かと厄介ですな」
 時宗丸も言ってきた。
「どうも」
「うむ、敵は多い」
「実に」
「婚姻を結んでいる家ばかりであるが」
「しかし」
 それでもというのだ。
「我等と仲の悪い家もです」
「多いな」
「特に最上家ですな」
「母上のご実家であるが」 
「それでも実は」
「当家とは昔から仲が悪くな」
「何かあればですな」
 こう梵天丸に話した。
「その時は」
「いがみ合ってきた、だからな」
 それでというのだ。
「敵として見てな」
「接していくべきですな」
「大崎家もな、あと南部家もな」
 北のこの家もというのだ。
「気をつけるか」
「今後は」
「何かとな、そして南であるが」
「五つの家が盟約を結んでいます」
 片倉が言ってきた。
「それがです」
「我等を封じる形になっておるな」
「どうも」
「芦名家も我等の敵であるが」
「その芦名家とことを構えるにしても」
「その時もな」
「五つの家が厄介ですな」
「どうもな、そしてその後ろにはな」
「佐竹家ですな」
「常陸のあの家があるな」
「関東八家の一つが」
「あの家もな」
 実にというのだ。
「厄介であるな」
「こうして見るとです」
「我等の敵は多いな」
「実に」
「その敵だらけの中でどう家を大きくしてな」
「奥羽を我等の手に収めるか」
「何かとな」
 このことはというのだ。
「考えどころであるな」
「全くです」
 片倉は梵天丸の言葉に頷いて述べた。
「これからのことを考えると」
「どうしたものかとな」
「若様は今からですな」
「考えておる」
 実際にというのだ。
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