第二百八十七話
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第二百八十七話 無欲でも
華奈子と美奈子の母は華奈子の必要なものは必要なだけあればいいという考えを聞いて夕食の時に双子に言った。
「それはいい考えね」
「お母さんもそう思うのね」
「ええ、けれどね」
華奈子にその考えを認めつつもこう返した。
「なくていい欲とあっていい欲があるのよ」
「そうなの」
「欲が全くないと」
その場合はというと。
「何も欲しくないでしょ」
「そうなるのね」
「人は何かを欲しい、果たしたいと思うから」
そう思うからというのだ。
「だから努力するでしょ」
「そう言われたら」
「そうね」
華奈子だけでなく美奈子も双子の言葉に頷いた。
「人って何かをしたいと思うから努力するわね」
「お勉強だっていい成績撮りたいからだし」
「スポーツだってそうだし」
「魔法だって」
「自分を高めたり人を助けたりする欲はいいの」
そうした欲はというのだ。
「別にね」
「そうなのね」
「そうした欲はいいのね」
「ええ、けれどね」
母は娘達にさらに話した。
「悪いこと、人に迷惑をかける様な欲はね」
「よくないのね」
「そうした欲を持ったら」
「そうよ、人はね」
本当にというのだ。
「持っていい欲と駄目ながあるの」
「必要なものは必要なだけじゃないの」
「それも一つの考えだけれど」
それでもというのだ。
「人は欲があるから発展したことも事実だし」
「欲があってもいいの」
「必要以上にって思っても」
「時と場合によってはね」
こう娘達に話した。
「そのことは覚えておいてね」
「うん、何かね」
「物凄く難しくてわからないけれど」
二人もこう母に話した。
「それじゃあね」
「覚えておくことは覚えておくわ」
「大人になったらわかるからね」
自分の言っていることはとだ、母は娘達に話した。そうして自分が作ったその夕食を娘達と共に食べていった。
第二百八十七話 完
2020・8・9
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