第四百二十九話 出会いの後でその十二
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「犯罪だから絶対に使うなよ」
「あんた持ってないわね」
寧々は叡山にかなり真剣な顔で問うた。
「そのお薬は」
「俺は料理やっててそういうのはやってないんだよ」
「そうなの」
「銃とかもな」
「そうしたことはしていないのね」
「色々言われてるけれどな」
それでもというのだ。
「犯罪はしてねえんだよ」
「そうなのね」
「だからそうした薬もな」
実際はというのだ。
「してないからな」
「そう聞いて安心したわ」
「うむ、流石に犯罪者は警察に突き出す」
仙左衛門も言うことだった。
「容赦なくな」
「もう用意は出来ているから」
寧々はまた叡山に話した。
「その時はすぐに通報するわ」
「おい、俺が最初から犯罪やる様に言ってくれるな」
「これまでのことを思えば」
「くそっ、本当に信用ねえな」
「若しこいつが何かしたら後ろからでも切っていいから」
ももはメリダ達に叡山のことをこう話した。
「ばっさりと」
「えっ、背中からですか」
「一回死んだ方がいい位の奴だから」
「流石にそれはやり過ぎじゃないのか」
歌星はそのももに突っ込みを入れた。
「幾ら何でも」
「けれど実際に勝負で買収とかやるから」
「そういえばそんなこともしたらしいな」
「手段を選ばない奴だから」
「スサノオにはしないですよ」
叡山もそこは強調する。
「幾ら俺でも」
「スサノオは金が通用する相手じゃない」
そこは歌星も言う。
「絶対にな」
「そうですよね」
「そうしたものとは無縁の奴だ」
「それ以上に俺も人間ですから」
「スサノオには金を使わないか」
「あとあいつにもつかないですから」
歌星に強く言った。
「何があっても」
「人間だからだな」
「こっちは人間だからって喧嘩売られてるんですよ」
このことを言うのだった。
「なら絶対にあいつにはつかないですから」
「戦い続けるか」
「俺のやり方で」
今度は鋭いやり方で言った。
「そうしていきます」
「そういうことだな」
「はい、あとです」
叡山はさらに話した。
「俺の料理食いますか」
「作ってくれたか」
「はい、おでんです」
作った料理はこれだというのだ。
「皆食う様に作りましたんで」
「そうか、ならな」
「食って下さい、嬢ちゃん達も食えよ」
叡山はメリダ達にも声をかけた。
「コロも入れたからな」
「コロとは何ですか?」
ミュールは叡山のその言葉に目を瞬かせて尋ねた。
「一体」
「ああ、鯨だよ」
「鯨、ですか」
「鯨の肉の部分でな、脂身って言っていいな」
「それをおでんというものに入れたのですか」
「ああ、関西風にな」
叡山はミュールに真面目な顔で説明をする。
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