◇閑話・弐◇ 〜休暇大作戦〜
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領さんらしき人が一撃で討ち取られると、皆さん及び腰になったのですよ。
「貴様らのような輩、生かしておいては為にならぬ!」
「この関雲長の、青龍偃月刀を受けるが良い!」
おやおや、いつになく気合が入っていますねー。
山賊さん達は自棄になって突撃してきましたが、あっという間に二人に討ち取られてしまいました。
その後で、山賊さん達の塒を見つけたので、立ち寄ってみたところ、麓の村から拉致されてきた娘さんを二人、見つけました。
勿論、皆さんを解放したのですが、
「まだ、山賊は残っています。逃げる途中で見つかれば、殺されてしまいます」
と、震えながら言われてしまいました。
「それで、何人程ですかねー? さっき、十数人は討ち取りましたけど」
「……七人です。きっと、また村を襲いに行ったのだと思います」
「ふむ。放ってはおけんな」
「ああ。だが、取り逃がすと厄介だ。風、何か策はないか?」
愛紗ちゃんに言われて、少し考えてみました。
「その七人が出て行ったのは、どのぐらい前ですかねー?」
「……四半刻ぐらい、でしょうか」
「ふむふむ。それならば、手っ取り早い方法にしましょうか」
とりあえず、娘さん達を外に出して、勿体ないので食糧とか銭貨も運び出しました。
元々は、庶人の方々の物ですから、できる限り返してあげないとですからね。
「ではでは、愛紗ちゃん。塒ごと、燃やしちゃって下さい」
「火を付けるのか?」
「はいー。四半刻なら、そう遠くには行っていませんからね。自分たちの塒が炎上すれば、慌てて戻ってくるかと」
「……えげつないな、風も」
「むー。星ちゃんには言われたくないのです」
ともあれ、火を起こして、盛大に塒全体を燃やしてあげました。
案の定、慌てて戻ってきた山賊さん達ですが、全員星ちゃんと愛紗ちゃんが仕留めてしまいました。
「念のため、村まで送って行った方が良かろう」
「ああ。風、すまんが山賊どもの馬に乗ってくれ。私と愛紗は、この娘を乗せる」
「やれやれ、仕方ありませんねー。その代わり、あまり飛ばさないで欲しいのですよ」
少し時を無駄にする事になってしまいましたが、救える命を見殺しになど出来ませんしね。
そんな事をするつもりもありませんけど、仮にそんな真似をしたら、お兄さんに叱られてしまいます。
お兄さんと共に歩む、それは常に心がけておかないとなのですよ。
◇視点:愛紗◇
思わぬ出来事があったものの、どうにかご主人様がおいでになる前に、黎陽県に辿り着いた。
県令殿の案内で、温泉が出たという邑に。
一角から、もうもうと湯気が立ちこめているのがわかる。
「それで、源泉は何処なのです?」
「はい、此方に」
その場所からは、湯が泉のように噴き出していた。
付
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