第四百二十九話 出会いの後でその七
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「きっと物凄いラブストーリーになりますね」
「アスタ君にしても」
「ええ、絶対にね」
サリアはリリアナにも応えた、二人が話すと慣れていないと外見だけではどちらがどちらかわからない感じだ。
「主人公になれるわね」
「今もそうですし」
「そうよね」
「えっ、俺?」
アスタは二人の話に自覚なく驚いた。
「何処がだよ」
「というかアスタっちもてるよ」
ヴィヴィアンが笑って太鼓判を押した。
「自覚してないの?」
「いや、俺もてたことなんてな」
「こいつがもてる筈ないでしょ」
ここでノエルが顔を真っ赤にさせてアスタを指差して力説してきた。
「あんた達何言ってるのよ」
「うわ・・・・・・」
ノエルのこの行動にはサリアも引いた、顔にそれが出ていた。
「このタイミングで出るなんて」
「お前さん自白はしない方がいいよ」
紅葉もどうかという顔で忠告する。
「そこで」
「私は本当のことを言っただけよ」
「まだ言うかい?」
「そうよ、嘘は言ってないわ」
「これは駄目だわ」
サリアは脱力しきったものを身体全体で出して述べた。
「アスタも駄目だけれど」
「ノエルさんにしても」
「どうにもならないわ」
「まあそこは置いておきまして」
ミモザはすかさずアスタの左手を取って自分に寄せた。
「アスタさん、今度の訓練は私と」
「えっ、いいのかよ」
「アスタさんさえよければ」
こう言って誘いをかけた。
「宜しくお願いします」
「それじゃあな」
「何言ってるのよ、次は私でしょ」
ノエルはまだ言った。
「アスタもそれでいいわね」
「いえ、私です」
「私よ」
「おいユノだよな次は」
気付いていないアスタは彼に声をかけた。
「そうだよな」
「そうだったが今回は譲りたい」
ユノはわかっているのでこう返した。
「王族の方々にな」
「何だよ、そうするのかよ」
「俺の入る余地はないからな」
「というかアスタの鈍さは団長さん譲りだな」
ホークも見て言う。
「どうにもならねえな」
「あの、何で豚が喋ってるの?」
エリーゼはここでホークを見て言った。
「さっきモモンガも喋っていたけれど」
「それは気にしない約束」
そのエリーゼにゴウセルが言う。
「俺も一回気になった」
「そうですか」
「けれど返事はさあな」
「それで終わりですか」
「だから気にしない約束」
そうだというのだ。
「これといって」
「まあ普通のことでしょ」
千はこう言い切った。
「豚が喋っても」
「底は世界それぞれですから」
千の横から半造も言う。
「そう納得されて下さい」
「わかりました、それでは」
「その様に」
「はい」
エリーゼは半蔵に微笑んで応えた。
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