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至誠一貫・閑話&番外編&キャラ紹介
◇閑話・壱◇ 〜晋陽での一日〜
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きですからねー?」
「心配要らぬ。私が、そのような男と思うか?」
「さてさて、それはどうでしょうねー」
 そう言う風の顔は、笑っていた。
 ……とは言え、ここも無理、と。
 ううむ、思いの外、場所がないな。

 思い切って、城の外に出てみた。
 手頃な空き地は、すぐに見つかったのだが……。
「わーい、わーい」
「待ってよー」
 完全に、子供の溜まり場と化している。
 まさか、この状態で真剣など使える筈もない。
「お兄ちゃん!」
 しかも、鈴々が混じっているとは。
「鈴々。街の子らと、戯れているのか?」
「にゃ? 良くわからないけど、今日は午前中、調練が休みになったのだ。だから、こいつらと遊ぶ事になったのだ」
 私の問いと変わらぬのだが、まぁ良い。
 しかし、こうして見ると、鈴々は年相応の子供だな。
 本人は嫌がりそうだが、背伸びしたとて、鈴々は遊びたい盛りであろう。
「ねーねー、鈴々お姉ちゃん。このおじさん、誰?」
「おじさんじゃないのだ。お兄ちゃんは、鈴々のお兄ちゃんなのだ。あと、月のお父さんなのだ!」
「じゃ、董卓さまのお父さんなんだ。へー」
「董卓さまのお父さんなら、きっと優しいんだね」
 あっという間に、私まで子供に囲まれてしまう。
「遊んで遊んでー」
「鈴々お姉ちゃんからも頼んでよ?」
「うにゃー。お兄ちゃん、どうするのだ?」
 うむ、子供と戯れるのも悪くはない。
 ……が、今は閃嘩との先約がある。
「済まぬが、私は行かねばならぬ。鈴々、後は任せたぞ」
「えーっ? つまんないよー」
「そうだよー。僕たちと遊ぼうよー」
 口々に不満を言う子供達を、一人ずつ撫でてやる。
「またの機会にな。今日は、鈴々が、思い切り遊んでくれるそうだぞ」
「いいのか、お兄ちゃん? 午後は、調練があるのだ……」
 そんな鈴々も、一緒に撫でてやる。
「たまには良かろう。愛紗には、私から伝えておく」
「ありがとうなのだ! よし、ついて来いなのだ!」
 子供達を引き連れ、鈴々は駆け出していく。
 ……うむむ、時ばかりが過ぎ去っていく。
 仕方がない、城内へ戻るとするか。


「早いな、歳三」
「……うむ」
 結局、仕合の場である中庭で、少しだけ、兼定を振るう事が出来た。
 最初から、ここにすれば良かったのやも知れぬが。
 閃嘩は、模擬戦用の斧を手にしていた。
「歳三、得物はどうする?」
「私は、これを使わせて貰う」
 枇杷で作った、木太刀。
 木太刀は樫が多いが、打ち合って折れやすいのが難点。
 その点、枇杷は重いが、その分丈夫で、私の好むところだ。
「木剣だと?」
「そうだ。だが、木だからと侮れば、痛い目に遭うぞ?」
「わかった。だが、私とて、手加減はしないぞ?」

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