第六十六話 ヒューロー湖畔の戦い・中編
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「獣や亜人達が人間に固執するのはそれが原因が」
「それじゃ、我々も取り憑かれたら危なくないか?」
「それなら大丈夫よ。ウェンディゴは鉄を嫌うから、鉄の装飾品なり武器を装備していれば、取り憑かれる事は無いわ……多分」
「おいおい、多分って、大丈夫か?」
「実際の所、ウェンディゴがどういう奴なのか私には分からないわ。鉄が多く眠っている悪霊の滝には近づかなかった事から、そう思っただけよ」
「それじゃどうなるか分からんな」
デヴィットとアワサの会話にアニエスも入ってきた。
「念のため。鉄製の何かを、多めに身に纏って行きましょうよ」
「そうだな……」
アニエスを加えた3人の協議は続く。
ヒューゴは3人の会話に入らず、ボケッと周囲を見渡していたら。思わず欠伸が漏れた。
「ふああぁ……ん?」
その時、何処からともなく、『ズシンズシン』と地響きが聞こえた。
「っ!?」
「この音は?」
「アニエス! 銃座に着け!」
「りょ、了解!」
三人もこの地響きに気付き、アニエスは銃座に就いた。
穏やかだった湖面に波紋が走り、地響きの主が森の向こうから現れた。
『やあやあ我こそは、山の戦士ダドダボ! 我らが聖地に足を踏みいてた事を後悔するが良い!』
先ほどの熊よりも更に大きい、10メイル程の熊が二本足で立っていた。
「でかいな!」
「何か、まともっぽいけど、あれもウェンディゴに取り憑かれてるの?」
「ウェンディゴに取り憑かれても、力が強ければ、ある程度は理性を保てるそうよ」
「て、いう事は、アイツ滅茶苦茶強いって事だよな」
「ともかく、あの化け物を倒さないと先には進めないな」
作戦会議をしていると、一行に差し込む太陽が陰った。巨大なダボダドが、太陽の光を隠したのだ。
『フゥ〜ハハハハハハハ!』
ダドダボは、前足の爪を2メイル程伸ばし、笑いながら地響きを立てて迫ってきた。
機関銃の残弾を確認していたアニエスは、ダドダボの足元に数日前に自分の頬に傷を付けたサーベルクーガーが居る事を確認した。
「あいつは……!」
無意識に左頬の傷に手を当てた。
アニエスの尋常でない雰囲気に気付いたデヴィットは、キッパリとアニエスに言った。
「アニエス。ここは戦場だぞ、戦場で我を失って、一人で突っ張りれば、死ぬのはお前だけじゃない。仲間も殺す事になると、訓練で習ったはずだ」
「……! 了解、すみませんでした」
「一も二も、とにかくカバー命だ。行くぞ!」
「了解!」
ヒューゴがアクセルを踏み込むと、軍用車両は猛スピードでダドダボへ向けて走り、アワサら原住民達の騎
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