第二章
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満里奈のことでもだ、彼女がある団体に行った時に言われた。
「喘息持ちでは」
「あの、治ってますけれど」
満里奈はすぐに言った。
「喘息は」
「ですが昔ありましたので」
「だからですか」
「申し訳ないですが」
満里奈もこう言われた。
「当団体では」
「そうですか」
満里奈も引き下がるしかなかった、他の団体もだった。
「俺の仕事とな」
「結婚していなくてね、それでね」
「お前の喘息のこともな」
「ええ、何かね」
「猫を引き取る条件厳しいな」
「独身だったら女の人でもね」
「引き渡してくれないな」
こう満里奈に言うのだった。
「これが」
「そうよね」
「何か中にはな」
藤村はさらに言った。
「引き取るのにお金を払ってな」
「こっちが買ってなのね」
「そうして引き取ってもらうとかな」
「そんな団体もあるの」
「ああ、というか条件厳し過ぎるだろ」
藤村は項垂れて言った。
「独身は駄目、定職じゃないと駄目でな」
「過去に喘息あったらそれで駄目とか」
「これじゃあな」
「引き取れる人少ないわよ」
「あとお年寄りも駄目だしな」
「何時どうなるかわからないからって」
「これじゃあな」
それこそというのだ。
「俺達だとな」
「引き取れないわね」
「実際にこれまで全部断わられてるからな」
「就職の面接より厳しいわよ」
「そうだな、それでどうする？」
藤村は満里奈に真剣な顔で問うた。
「猫飼いたいよな」
「ええ、やっぱりね」
満里奈は藤村に確かな顔で答えた。
「一緒にいたいわ」
「俺もだ、けれどこれじゃあな」
「保護猫は無理だし」
「仕方ないからな」
藤村は観念した様な顔で言った。
「ここはな」
「ペットショップ行く？」
「そうね、それじゃあね」
「そこしかないからな」
「そこ行きましょう」
「そうするか」
二人で話してだった。それでペットショップに行ってだった。
銀の毛に黒のトラ毛のアメリカンショートヘアの雄の子を見て藤村は満里奈に対してこれはという顔で言った。
「この子にするか」
「ええ、可愛いしね」
「値崩れしてるしな」
「売れ残ってるのね」
「このままだと可哀想だしな」
「この子にしましょう」
二人で話して店員にその猫を飼いたいと言うと。
「わかりました」
「あの、俺フリーのライターで」
藤村は明るい態度の店員に自分のことを話した。
「定職かっていいますと」
「猫ちゃん飼えるだけの余裕ありますよね」
「はい、二人くらしですし」
「それならです」
若い女性の店員は明るく笑って答えた。
「問題ないです」
「そうですか」
「結婚してなくてもいいですか？」
満里奈も店員に尋ねた。
「私子供
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