第一章
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色々難しい
藤村弘は黒髪を短くした細面の男で背は一七〇程で痩せた身体つきである、年齢は二十九歳でフリーライターとしてそれなりの生活が出来ている。
交際相手の古河満里奈とも円満に付き合っている、満里奈は背は一五八位でほっそりとした身体で顔立ちは少し丸い。職業は医療企業のOLであり子供の頃少し喘息だった時がある以外はこれといって何もない二十九歳の女性である。藤村とは学生の頃からの付き合いだ。
その満里奈に藤村は笑顔で言った。
「同棲もしてるしペット可のマンションにも引っ越せたし」
「それじゃあね」
「いよいよ猫飼うか」
「ええ、私達の夢だったしね」
「夢っていっても些細だけれどな」
藤村は少し笑って言った。
「それでもな」
「夢は夢だったからね」
「だからな」
「いよいよね」
「その夢をな」
「ええ、適えましょう」
「それでだけれどな」
藤村は満里奈に話した、その自分達の部屋で一緒に晩ご飯を食べつつ話している。メニューは焼きそばに茸と豆腐の味噌汁だ。
「保護猫引き取るか」
「ペットショップじゃなくてよね」
「やっぱりそうした子を引き取ってな」
「大事に育ててあげるべきよね」
「ペットショップが悪いんじゃなくてな」
「保護猫になるにはそれぞれ事情があるし」
「捨てられたり飼えなくなって里親に出したりな」
そうした事情があるというのだ。
「虐待されていたりとかな」
「最初から野良だったりね」
「そうした子を引き取ってな」
「大事に育てた方がいいわね」
「仕事でそうした子の話書いた時もあったんだよ」
藤村は満里奈に悲しい顔で話した。
「それぞれの事情があってな」
「可哀想な子もいるわね」
「だからな」
「そうした子を引き取って」
「そしてな」
そのうえでというのだ。
「一緒に幸せになろうな」
「猫も私達も」
「じゃあ猫を保護しているボランティア団体とかに連絡するか」
「そうしましょう」
二人で話してだった、早速そうした猫を引き取ろうと動きだしたが。
藤村は最初に行った団体にまずこう聞かれた。
「独身の方ですか」
「はい、同棲していますけれど」
「独身男性の方は」
団体の人は彼に難しい顔で答えた。
「お引渡し出来ないです」
「えっ、そうなんですか」
「当団体では」
「そんな決まりがあるんですか」
「申し訳ないですが」
こう言われて断られた、そしてだった。
次の団体にはだ、こう言われた。
「定職に就かれていないと」
「いや、働いてますよ」
藤村はこのことを話した。
「ちゃんと」
「ライターさんですね」
「ちゃんと食べていけてますけれど」
「ですが安定したお仕事でないので」
それでというの
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