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あの日の約束
二話
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ろうか。
 そんな事を考えながら歩いていると、一航戦の赤い方とバッタリ出会ってしまった。
 
「ゲッ……」
 
「えっと、赤城さん…?露骨に嫌な顔するのやめてもらえます…?」
 
「なんですか、なにか用ですか?
 提督に乱暴されたと加賀さんに言いますよ?」
 
「そんなことされたら俺は今度こそ加賀さんに殺されてしまう…」
 
「だったら私にはなるべく関わらないようにしていただけますか?」
 
「嫌だ…って言ったら?」
 
「加賀さんと瑞鶴を呼んできます」
 
「それだけは勘弁してください」
 
 言われてから土下座までに1秒もかからなかった。
 きっと俺に土下座のスピードで勝てる奴はいないだろう。
 
「はぁ…。聞くだけですからね」
 
「え?」
 
「何か話しがあるのでしょう?」
 
「あ、赤城さん…っ!」
 
 俺を見るたびに嫌そうな顔はするけど、なんだかんだ俺の話はちゃんと聞いてくれる。
 執務室に案内してくれた時もそうだ。
 赤城も、この鎮守府にいるみんなも
 きっと、心根は優しい娘達ばかりなんだろう。
 
「ここにいる艦娘達の…過去ですか?」
 
 途端、赤城の表情が曇った。
 それは、決して踏み込んではいけないと、強く警告しているようだった。
 
「それを聞いて、どうするつもりですか?」
 
 恐ろしいほどに冷たい声で赤城は問いかけた。
 
「もし、一人じゃ抱えきれないような何かを抱えているのだとしたら…俺はそれを、一緒に抱えたい」
 
「ここにきて一週間そこらの提督が、たいそうなことを言うのですね」
 
「大切なのは時間じゃない。想いだろ」
 
「やっぱりこの話は無かったことにしてください」
 
 ペコリと一礼して、その場を去っていく赤城の後ろ姿を見送った。
 
「本当に…このままでいいのか?」
 
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