暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga17-B侵撃のT.C.〜2nd wave〜
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んなわたしの様子にルミナは「ごめん、ごめん♪」って謝って、ルシルをようやく解放した。

「いやだって嬉しかったんだよ。私の分解スキルは魔術に対して何の意味も無い力だったから、イリス達が魔術でT.C.と戦っているのを見守ることしか出来ないことがどれだけ悔しくて、辛かったか。そんな嫌な気持からようやく解放された! ルシルが解放してくれた! ならそのお礼に、私の胸に顔を埋めさせてもよく――」

「ない! よくない! その発想はない!」

「ダメ? 私に出来るお礼って体しかないんだけど」

「そんなわけないでしょうが! もっとこう、手料理とか肩を揉んであげるとか、健全なお礼の仕方があるでしょ!・・・って、これも体か。じゃなくて! ルミナはお礼しなくていいの! わたしが代わりにしてあげるから!」

ルミナは自分の胸を触りながらそんなことを言い出すものだから、わたしは首を横に振って反論。そうだ、部隊長であり幼馴染でもあるわたしが代わりにお礼してもいいんじゃん。
そんなわたしとルミナの会話を余所に、クラリスがルシルに「ルミナの胸、どうだった?」なんて聞いてるし。ルシルもまさかそんな質問されるなんて思いもしなかっただろうから、「はい?」って目を丸くしてる。ちなみにミヤビは顔を真っ赤にして明後日の方を向いてる。

(ごめんね、馬鹿な先輩たちで・・・)

大切な後輩であるミヤビのことを考えたら一気に冷静になれた。まったく、まだ仕事中なのにわたし達は何をやってるんだか。

「でもさ、イリス。これ見て。ルシルがくれた神器」

ルミナが首に掛けた紐に繋がれた蒼い指輪を胸元から取り出した。一目で判る。神器だ。わたし達の視線が指輪からルシルに移る。ルシルは「デスクワークの日々の中で鍛えに鍛えた、俺の作る最後の神器、ヒミンバルだ」って苦笑い。

「「「「最後・・・?」」」」

「レーゼフェアには左目の視力を奪われ、リアンシェルトには複製能力の発動を封じられた」

ルシルは前々から複製スキルが使えない原因に頭を悩ませてたけど、レーゼフェアの前例があるからスキル使用不能もリアンシェルトが原因だって結論を出したみたい。それはともかく最後っていうのが判らないから、ミヤビを除くわたし達は首を傾げた。

「複製能力があればこの程度の神器、1週間も掛からず作成できるんだがな。こんな簡単な物ですら10ヵ月も掛かった。他の神器なんて作ろうとしたら何年かかるか。さすがに俺もそんなに長くは生きていないだろうしな。だから最後の作品だ」

それからルシルは、指輪型神器“ヒミンバル”はまだ未完成で、本来ならどれだけ能力を使用してもルミナの魔力に神秘を付加できるはずだったみたい。だけど自分は役立たずだってヘコんでるルミナを可哀相に思って、未完成の状態で神器として
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