ラーメン・ギルド(異世界ラーメン屋2)
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ん俺だって、ラーメン食って帰るだけの女の子とその…どうこうなるとかそんな期待はしていないが、それにしても店内がオークやらリザードマンでごった返すだけごった返し、可愛いのが一人も入って来ないこの状況は…。
もう、性別とかどうでもいい。なんかこう…いるだろう!?可愛い子供の獣人とか、ホビットの少年とか!!お前らならラーメン食ってくれるだろ!?
「このラーメン・ギルドも大分知名度をあげてきたな」
―――ラーメン・ギルド!?
俺は思わずがばりと顔を上げて、さっきのオークの集団に視線を戻した。
なんか今…ラーメン・ギルドって…?
「お前その云い方やめろよー」
「だって実質、そんな感じだろ。ここに出入りしてるの、人間を除くとほとんどうちのギルドの奴じゃないか」
「お前がラーメン・ギルドとか云うから、他のギルドの連中が遠慮してんじゃないか」
「でもギルドの話しやすいだろガハハハハ」
「………お前らか!!可愛いのの入店をブロックしてたのは!!!」
思わず大声が出た。店内のオークとかリザードマンが超びびった顔で振り向いたがもう止まらない。
「何だラーメン・ギルドって!!お前らが勝手に縄張り主張するからエルフとかフェアリーが入って来れないじゃねぇか!!」
端の方でチャーシューをつまみに酒を呑んでいたリザードマンの二人組が俺をなだめに来た。
「しゅ、主人落ち着け」
「そうだぞエルフやフェアリーはラーメン食わない」
「いや食うね!きっと食いたいね!!何ならあれだぞ、杏仁豆腐とか食うね!!」
「なにそれ旨そう」
俺がやけくそ気味に叩きつけるようにカウンターに出した杏仁豆腐に、オーク集団が興味をしめしてワラワラ寄って来た。
「お前らがぁ!!ギルドとか云うからぁ!!!」
涙声になってきた俺を囲んで、おっさんみたいな亜人の群れがオロオロしだした。
「そ、そんな追い詰められてると思わなかった」
「悪かった、俺達が悪かったから!」
「あの…あれだ!知り合いのフェアリーに声かけてみるから!!」
「……フェアリー?水の?風の?」
「……岩、だけど」
「それ絶対おっさんじゃねぇかぁ―――!!」
もうガッカリだ。もう疲れた。俺もう閉店する。
というわけにもいかず、俺は今日も店を開く。
ラーメン・ギルドの誤解はオーク連中が必死に解いて回ってくれたらしく、今まで見なかった種族がちょいちょい顔を出すようになった。獣人とかオーガとか相変わらず荒々しい感じの連中が多いが、時折、獣人の子供とかホビットとか小人とかも顔を出す。オークですら、赤ちゃんは可愛い。…少しだけ癒される。
それはそれとして、俺はエルフやフェアリーの来店を諦めたわけではないのだ。あれ以来、少し俺にビビっているギルドの連中からエルフとフェアリーの情
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