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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第54話:何処までも天高くヘ
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サイコー!〉
〈イエス! キックストライク! アンダスタンドゥ?〉

 同時にハンドオーサーに指輪を翳すと、颯人はコートの裾を翻し透はカリヴァイオリンを投げつけクラウチングスタートの体勢をとった。響も右のガントレットのジャッキを思いっきり引き伸ばす。
 大型ノイズは依然としてクリスの攻撃で動けずにいる。その大型ノイズに向けて3人は駆け出し、大型ノイズと間合いを詰めた。

 3人が到達するよりも前に、透の投擲したカリヴァイオリンがノイズの体を傷付け×印を刻み付ける。

 大型ノイズが目前まで迫ると、颯人は側転からのバク転と言うアクロバティックな動きを経て高く飛び上がり飛び蹴りを放ち、対照的に透は前転すると全身のバネを使って下から蹴り上げた。更に接近した響が放つアッパーカットが炸裂。
 狙うは透が付けた×印。3人の攻撃はそこに集中した。

「「はぁぁぁぁっ!!」」

 3方向から同時に同じ場所に、魔力とフォニックゲインをそれぞれ集束させた蹴りと拳を叩き込まれた大型ノイズは全身に亀裂を走らせるとビルが解体されるようにその身を炭素の塵にしながら崩壊していった。

 大型ノイズを最後に出現したノイズは全て殲滅された。即席にしては見事な連携でノイズを倒せたことに、颯人と透、響の3人は互いの健闘を称えてハイタッチした。

「やったな。イェーイ!」
「イエーイ! 透君もありがとう!」

 早くも仲間としての意識が芽生えつつあることに、透も嬉しさに仮面の奥で笑みを浮かべていた。
 それを敏感に察知したクリス。自分を差し置いて透と仲良くする颯人と、透に近付く響に嫉妬したのか透を引っ張って颯人から引き離した。

「む〜〜……」

 颯人に嫉妬してむくれるクリスに、颯人と透は揃って笑みを溢した。響も透に抱き着くクリスを微笑ましく見ている。

「くくっ! 愛されてるねぇ、透は…………あっ!?」
「わっ!? な、何ですか颯人さん?」

 そこで颯人はコンサート開始の時間が迫っている事を思い出した。変身を解除し懐から懐中時計を出して時間を確認する。コンサートが始まるまでの時間はあと僅かしかない。

「やっべ、こんな事してる場合じゃなかった!? 悪い、後始末とかは頼んだ!」
「はっ? お、おい!?」
「急ぐぞ響ちゃん!」
「あ! わぁぁぁぁっ!? そうだったぁぁぁっ!?」

 突然慌ててその場を離れる颯人にクリスは面食らい引き留めようとするが、颯人は構わずに響をマシンウィンガーの後ろに乗せ自分も飛び乗り、いきなり最高速度でコンサートが行われる会場に向かっていく。

 あっという間に走り去っていく颯人の後姿を呆然と見送る透とクリス。だが時間が経つにつれて後始末を押し付けられたことを実感し、クリスの怒りが爆発した。

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