暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第54話:何処までも天高くヘ
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 武者震いする奏の姿に、翼は以前奏が口にしていた彼女にとっての颯人がどういう存在かを思い出していた。

 颯人は奏にとっての追い風。彼が居る事で、奏は限界以上のポテンシャルを発揮できる。
 当時は奏が颯人に依存しているかのような言い方に面白くないものを感じていたが、今なら理解できる。確かに彼の存在は、奏をより高みへと導く事が出来るようだ。

 その事に翼は少し嫉妬してしまったが、それ以上に期待している自分が居る事にも気付いていた。今日のコンサートで奏は今までで最高の歌を歌ってくれる。そして自分はそれを誰よりも間近で聞き、且つ共に歌う事が出来るのだ。共に飛ぶツヴァイウィングの片翼として、翼も高揚せずにはいられなかった。

「奏。今日は最高のコンサートにしよう!」
「あぁ! 颯人もたまげる位の最高の歌を2人で歌うぞ!」

──待ってろよ、颯人!──




***




 一方、奏の待ち人である颯人が今何をしているかと言うと…………

「おっちゃん。奏達には?」
『安心しろ、奏と翼には黙っておいた』
「オッケー。だってさ、響ちゃん」
「はい!」

 弦十郎からの通信に満足そうに頷くと、隣に立つ響に笑いかけつつ眼前に広がる光景を見て気を引き締める。彼の目の前には無数のノイズが蔓延っていた。

 発端は数分前。工場地帯に無数のノイズ出現の報告が来たことに始まる。
 報告当初、弦十郎は颯人達だけでなく奏、翼の2人にも出撃を要請しようとしていた。折角のコンサートだが、この数は仕方が無いと。

 それを颯人が止めさせた。奏と翼にはコンサートに全力を注いでほしかったのだ。故に奏には、まだ会場に入れていないのを適当にウィズに呼ばれたと偽っていた。

 流石にこの数を2人で、しかもコンサートが始まるまでに倒しきって会場に向かうには時間がシビアだが、幸いな事に透とクリスが援軍として来てくれる手筈になっている。流石にあの2人の分まではチケットが用意できず、今日は2人が完全にフリーになっていたのだ。

 戦力は十分。時間との勝負だが、颯人は特に悲観してはいなかった。

〈ドライバーオン、プリーズ〉
「さて、今日は俺が観客側だ。悪いがお前らにはスピードマジックショーで勘弁してもらうぜ。準備は良いかい、響ちゃん?」
「はい! いつでも行けます! さっさと終わらせて、コンサートに間に合わせましょう!」

 意気込む響に笑みを深め、颯人はウィザードに変身した。

〈シャバドゥビタッチ、ヘンシーン! シャバドゥビタッチ、ヘンシーン!〉
「変身!」
〈フレイム、プリーズ。ヒー、ヒー、ヒーヒーヒー!〉
「Balwisyall nescell gungnir tron」

 フレイムスタイルのウ
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