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レーヴァティン
第百七十六話 雪溶けと共にその五

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「ならだ」
「越後の西ですね」
「次はそちらに向かいますね」
「そうしますね」
「そしてだ」 
 そのうえでというのだ。
「越後の東のことだが」
「そちらはあらかたつきましたね」
「幕府に」
「そうなりましたね」
「まだついていない者達は国人達に任せる」
 越後の東の彼等にというのだ。
「その様にする」
「そうしますか」
「それではですね」
「我等は何につけてもですね」
「まずは、ですね」
「春日山城だ」
 この城だというのだ、兵達にこう話してだった。英雄は八万の兵を率いてそのうえで信濃から越後に出陣した。
 海津城は越後からすぐだった、それでそこを経った英雄と彼等が率いる軍勢はあっという間に越後に入り。
 春日山城にも至った、それでだった。
 英雄は春日山城を囲むと兵達に話した。
「まずは術と大砲でだ」
「攻めていきますか」
「そうしますか」
「門や壁を壊し」
 その術と大砲でというのだ。
「突破口を開きな」
「そうしてですね」
「そのうえで、ですね」
「城の中に入りだ」
 そうしてというのだ。
「足掛かりを築きつつな」
「そこからもですね」
「術と大砲で以て門や壁を壊してですね」
「先に進んでいき」
「城を攻めていきますか」
「そうする、敵は降らないが」
 籠城している、そして越後の西から援軍をこちらに向けて送らせようとしているという報が入っている。
「しかしだ」
「それでもですね」
「そうして攻めていき」
「そして、ですね」
「本丸までだ」
 まさにそこまでというのだ。
「敵が降らないなら進む、そして俺が命じた時は空船もだ」
「使い」
「そして攻める」
「そうされますか」
「そうする、だが今は攻めには使わない」
 空船はというのだ。
「上からの物見に専念してもらう」
「わかりました」
「それではですね」
「今から攻めていきますね」
「そうしていきますね」
「その様にする」
 こう言ってだった。
 英雄は城攻めに入った、そうして。
 術や大砲で春日山城の門も壁も壊させた、城は術の障壁がありそして門も堅固なものであり中々壊れなかったが。
 集中攻撃を続けると壊れていった。兵達はそれを見て言った。
「中々壊れなかったけれどな」
「遂に壊れてきたな」
「壁も門もな」
「そうなってきたな」
「どんな木も何度も斧で打つと倒れる」
 英雄も言ってきた。
「だからだ」
「幾ら術の障壁が強くても」
「堅固なものでもですね」
「それでもですね」
「必ず崩れますね」
「攻撃を続けていると」
「そうなる」
 絶対にというのだ。
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