第百七十六話 雪溶けと共にその二
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「そうしたものを使ってな」
「攻めるでござるな」
「そうする」
こう智に返した。
「それではな」
「そうするでござるな」
「是非な」
「大砲があれば」
智は言った。
「それに術もあれば」
「例え術への防壁があってもな」
「堅城も陥落するでござるな」
「難攻不落とあるが」
それでもというのだ。
「絶対に攻め落とせない城はない」
「そうでござるな」
「如何に堅固な城でもだ」
「攻め落とせるでござる」
「知略を使っての場合もあるが」
それ以外にというのだ。
「大砲や術はな」
「そうしたものがあれば」
「知略を用いずともな」
「攻め落とせる場合が多いでござるな」
「城の攻め方も色々だが」
穴を掘って地下道から城の中に出てそこから攻める方法もあれば水攻めも火攻めもある。実に色々だ。
「しかしな」
「大砲に術は」
「特に効果がある」
城攻めにというのだ。
「だからな」
「七尾城にも春日山城にも」
「そうして攻める」
大砲や術を使ってというのだ。
「そうする」
「それでは」
「もうそうしたものも用意しているな」
「大砲はもういの一番にね」
奈央も言ってきた。
「国境に送ってね」
「備えていたか」
「もう兵を進めたら」
それと共にというのだ。
「多くの兵と一緒にね」
「大砲もだな」
「動けるわ」
「そうだな」
「そして兵の中には」
奈央は英雄にさらに話した。
「術を使える人もね」
「いるな」
「それも大勢ね」
「そうだな、ではな」
「大砲もね」
「持って行く」
前線にというのだ。
「そして城攻めにも使い」
「堅城でも攻め落としていくわね」
「そうしていく」
その七尾城や春日山城をというのだ。
「そして北陸全土をだ」
「幕府の領地にするわね」
「その様にする、しかし」
英雄はこうも言った。
「佐渡の国人が全て降ったことはよかった」
「そうだな、若しもな」
今度は幸正が応えた。
「あの島で従わない者がいればだ」
「あの島まで兵を送ってだ」
その佐渡までというのだ。
「わざわざ戦をしてだ」
「降さねばならなかった」
「戦に勝つ自信は絶対にあるが」
それでもとだ、英雄は話した。
「しかしな」
「それでもだな」
「あの島までわざわざ軍勢を送ることがな」
「荒い日本湖を渡ってな」
「そうして攻めることを考えるとな」
「手間がかなりかかる」
「人手も銭もだ」
軍勢だけでなくその軍勢や兵糧を運ぶ船を動かす者そして輸送の時にかかる銭ことを考えればというのだ。
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