ショッカー、栄光の日 本郷猛、最後の日!!
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おり、彼も負傷していたからだ。2号も大ダメージを負っているのが幸いだった。
そんな時、バイクのエンジン音が聞こえた。倒れた姿勢のまま、音のする方向へ視線をやればそこにはもう1人の裏切り者、本郷猛の姿があった。
本郷は7を殴りつけ、一方的な攻撃を加えると彼にジリジリと近づく。
きっとトドメを刺すつもりなのだろう。
このままでは7が破れ、作戦が失敗してしまう―。
仲間の死も、これまでの努力も、何もかもが無駄となる!!!
気づいた頃には俺は自分の得物を拾い上げて本郷猛の方へと走り出していた。
幸い、奴は自分には気づいていない様子だった。
「イーーーッッッ!!!!!」
滑るようにしてククリナイフを回転するベルトに刺し込んだ。
本郷の奴は俺を見て、ひどく驚いたような顔していた。裏切り者の間抜け面を拝んでやった。
それだけでこれまでの努力や鍛錬、仲間の死が報われたような気がした。
後は生き残ったショッカーライダーに任せるとしよう。戦闘員の仕事はあくまで怪人のサポートなのだから。
―――――――――――――――――――――――
7は目の前の出来事にただ呆然とした。
本郷が変身しようと叫んだ途端、戦闘員が乱入したのだ。おまけにその戦闘員は本郷のベルトにナイフを刺し込んで回転を止めてしまった。
ただの戦闘員がだ。
作戦目標の『変身の不可能化』を達成してしまったのである。
「イーッ!!!」
戦闘員1010号は7の方をバッと向くと7の赤い複眼をジッと見つめた。
1010号が7を見つめるその目は「今がチャンスだ!!」と言わんばかりであった。
(その通りだ。ここでウジウジと考えていても仕方ない!!これは好機だ!!)
7は1010号の想いを理解し、すぐに立ち上がって動けなくなった本郷猛のもとへ駆け出す。
「感謝するぞ!戦闘員!」
すれ違いざまに1010号に礼を言う。
俺は駆ける。ショッカーの為、偉大なる首領の為、仲間の無念を晴らす為、世界征服の理想の為。
本郷との距離を次第に詰め、残り5メートルほど。
狙うは本郷の胸元だ。
「死ねぇッ!!裏切り者がぁッ!!!」
ショッカーライダーは空中高く飛び上がり、本郷猛に向かって脚を突き出すと猛スピードで隕石の如く急降下した。
「ショッカー…ライダー……キックゥゥ!!!」
本郷はショッカーライダー7のキックを腹にマトモに喰らう。
それだけで衝撃波が起き、固い道路のアスファルトに小規模なクレーターができた。
2号は叫ぶ。
「本郷!!本郷、大丈夫か!!!」
「う、うう………」
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