暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王BV〜摩天楼の四方山話〜
ターン34 退路なきエンターテイメント
[9/18]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ライフが尽きるような展開をこれ見よがしに見せることで少しでも彼女の妨害を消費させ、一撃必殺の火力を持ったダーク・リベリオンの通る可能性を引き上げる。油断も隙もない、2重の罠。

「『ご明察。今宵の魔界劇団は、いつもとは少々趣向を変えてお送りさせていただきました。そしておあつらえ向きに、ダーク・リベリオンの攻撃力2500に対し不知火の武部は1500。ワンショットキルの妙技をば、これよりお目にかけましょう。バトルフェイズに入りまして、ダーク・リベリオンにて不知火の武部に攻撃!』」

 漆黒の龍が死の翼を広げ、客席側の少女へと迫る。大上段から振り下ろされた放電する逆鱗の一撃が、和装少女の繰り出した薙刀と正面からぶつかり合う。

「『そしてダメージ計算前に、ダーク・リベリオンの効果を発動。モンスターとのバトル時にオーバーレイ・ユニット1つを使うことでその相手モンスターの攻撃力は0となり、その数値を自身の攻撃力として吸収し……おや、なんと』」

 またもポーズをとってこのデュエルの終わりを告げようとしていた鳥居の口から、その寸前に感嘆の声が漏れる。今なお鍔迫り合いを続ける漆黒の龍と炎の少女剣士だったが、その戦況に明らかに奇妙な現象が起きていた。

 不知火の武部 攻1500→0
 妖刀−不知火 攻800→0
 バージェストマ・カナディア 守0

「『あーっと、これはどうしたことか!カナディアがモンスターとして現れたということは、トラップが発動された。そして不知火の武部の攻撃力が0に。これらの符号が導きだす答えは』……さすがっすね糸巻さん、やっぱ不意打ちだけじゃ落としきれませんか」

 最後の一言だけ素に戻った鳥居は、どうやら何が起きたのか把握したらしい。表を向いた最後の伏せカードを前に、ニヤリと笑う糸巻の赤髪が燃える炎と弾ける火花によって断続的に照らされる。

「当たり前だろう?こんなんで終わってやるほど、アタシは甘くねえよ。トラップ発動、アルケミー・サイクル……アタシのモンスターは全て元々の攻撃力が0になり、そいつらが戦闘破壊されるたびにアタシはカードを1枚ドローできる。いくらダーク・リベリオンだろうと、攻撃力0の攻撃力を吸うことはできないからな」

 覇王眷竜ダーク・リベリオン 攻2500→不知火の武部 攻0(破壊)
 糸巻 LP4000→1500

 やがて少女の薙刀が逆鱗の負荷に耐えかねてへし折れ、そのまま振るわれる返しの一撃によって貫かれる。雷撃の余波は糸巻の体にも襲い掛かるが、それには持ち前の頑丈さでどうにか凌ぎ切った。

「アルケミー・サイクルの効果で、カードを1枚ドローだ」
「『妖刀−不知火は同じくアルケミー・サイクルの効果を受けているため、今攻撃すればさらにドローを許してしまいます。なのでヘビーメタ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ