ターン34 退路なきエンターテイメント
[15/18]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
果も1度は牽制できるため、1ターンはどうにか持ちこたえられるだろうと目算をつける。
「(他に考えられるカードとしては不知火側のサポートであるアンデット版ゴッドバードアタックこと燕の太刀、あるいはダメージを完全にシャットアウトする輪廻の陣。後者を仕込まれてたらどうしようもないけれど、フィールドのアンデット1体を除外するコストは今の糸巻さんの場の状況では重い。前者なんて持っているなら、メロー・マドンナの発動時にPゾーンを真っ先に狙うはず)」
それ以外の選択肢は薄い。あの局面で完全に無意味なカードを引くとは欠片も思っていなかったが、このプラントは糸巻にとって敵地ど真ん中、使い慣れていないカードをわざわざデッキに入れて持ってくるような真似をするとも考えにくかった。万一ミラーフォースのような逆転のカードなど伏せられていた場合でも、鳥居の手札には今さっき闇の誘惑でドローした永続トラップ、ペンデュラム・スイッチが存在するためそれを駆使すればもう1ターンぐらいは稼げるはずだ。
勝ちを急げば、赤髪の夜叉はその瞬間にこちらを食らい尽くしに来る。守りに入れば、お構いなしにそれを突き崩す。理不尽の権化のようなこの元上司と相対するためには、常に崖っぷちで綱渡りのバランスを保ち続けなければならない。その認識に誤りはなく、鳥居に油断はない。ゆえに勝ちを焦らず、しかし確実な石橋を叩いて渡るような勝利の道を踏みしめていく。
「『それではこれにて攻勢、一気にバトルと参りましょう。まずは最初の一撃、勇者コミック・リリーフで零氷の魔妖−雪女へ攻撃!』」
またもや舞台袖から転がってきた自分の身長よりも大きな、といってもせいぜいビッグ・スターと同程度のサイズのボールに飛び乗ったコミック・リリーフが、玉乗りで一気に客席へと飛びそのまま雪女を上から押し潰そうとする。
だが、である。結局のところ対策を講じようとした時点で、既に思考のドツボにはまっているのだ。その瞬間に糸巻が浮かべた表情……獲物に飛び掛かる寸前の肉食獣の笑みに、鳥居の背筋が冷たくなる。
「待ってたぜ、ノコノコ突っ込んできてくれる時をよ!速攻魔法、異次元からの埋葬!アタシがゲームから除外したモンスター、屍界のバンシーとゾンビキャリアを選択して墓地に戻す。そして墓地から、屍界のバンシーの効果を再発動!デッキから2枚目のアンデットワールドを直接発動だ」
「『く……ならば、ファンタスティックシアターの永続効果!このカードとペンデュラム召喚された魔界劇団が私のフィールドに存在するとき、相手モンスターが発動した効果は1ターンに1度だけ「相手フィールドにセットされた魔法、罠カード1枚の破壊」に書き換わります!』」
ファンタスティックシアターの照明が瞬き、上空を飛び回っていたアンデットワールドの死霊のうち1
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ