暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王BV〜摩天楼の四方山話〜
ターン34 退路なきエンターテイメント
[12/18]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
→0

「『ああなんということでしょう、なんと我が龍、迫りくる敵のライフを刈り取る一撃必殺のダーク・リベリオンが!雪女の手にした薙刀の一振りによって、物言わぬ黒き氷像となってしまいました!』」
「雪女がいる状態で墓地のモンスターの蘇生、または墓地のモンスターが効果を発動した場合、1ターンにつき2回まで相手モンスターの効果と攻撃力を零に還すことができる。これで終わりだ、鳥居!まずは麗神でエレクトラムに攻撃、輝夜ノ竹割(かぐよのたけわり)!」

 麗神−不知火 攻2300→ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム 攻1800(破壊)
 鳥居 LP3000→2500

 ふわりと赤い軌跡を白い世界に描いて飛んだ麗神が、赤熱する薙刀を振るう。対するエレクトラムも二丁拳銃を交差させてそれを受けようとするが、炎の対決は麗神が制した。そして、この攻撃によって鳥居のライフは2900を下回る。

「追撃だ、雪女でダーク・リベリオンに攻撃!」
「『恐るべき極寒の地に、魔界劇団これにて終幕か!?いえいえお客様、そうとは限りません。どのようなピンチだろうとも、魔界劇団は輝くのです。さあ、あの空をご覧ください。あれは鳥か、飛行機か?いえいえ、そのどちらでもございません。リバースカードオープン、ヒーロー見参!相手モンスターの攻撃宣言時、遅れてやってきたヒーローを私の手札から場へとノーコストで呼び出すことが可能となるのです。そして、見ての通り私の手札は2枚。当然、その正体は覚えていらっしゃいますね?』」
「まあ、な」

 しぶしぶ頷く糸巻。そう、彼女には今鳥居の手にある2枚の正体がわかっている。ひとつは攻撃力100のレベル1モンスター、魔界劇団−エキストラ。だがもう1枚は攻撃力3000を誇るレベル8モンスター、魔界劇団−デビル・ヒール。この2択のうちエキストラを引けば糸巻の勝利が決定するが、デビル・ヒールを選んでしまったならばこのデュエルはまだ続くことになる。鳥居の頭上に浮かんだ2枚のカードの裏面、確率50%の賭け。
 普段の彼女であれば迷いなくあのどちらかを選び、そして正解を引き当てることができるだろう。だが、それは単なる運の問題ではなく糸巻が勝負の流れをその手に握ることができるからだ。流れさえつかめば、おのずとすべての事象は彼女のために動き出す。しかしいくら気に食わなかろうとも強者であることは間違いない鳥居とのこの一戦、まだ勝負はどちらにも傾きかねない。

「……右だ!」

 意を決した糸巻が吼え、鳥居がそれを笑う。選んだカードをゆっくりと表にすると、糸巻の顔がしくじった、と歪んだ。

「『待機していた我らがヒールが、劇座の危機に空の彼方より立ち上がる!怪力無双の剛腕の持ち主、魔界劇団−デビル・ヒールの登場です!』」

 体を丸めくるくると回
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ