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おぢばにおかえり
第六十話 朝早くからその三十一

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「そこからね」
「立派な人になっていくから」
「彼に理の肉を巻くのは色々な人がしてくれるでしょうけれど」
「私もその一人なのね」
「そうなるわよ」
「それじゃあ」
 私は阿波野君を見て応えました。
「いさんでいくわね」
「そうしてね」
「僕は実は三代目になりますが」
 ここで阿波野君も言ってきました。
「初代は大叔母さんなんです」
「そのこと前にお話してくれたわね」
「はい、お家がいつも揉めていて」
 阿波野君のお家がというのです。
「大叔母さんどうしたことかって悩んでいて」
「それで入信したのね」
「大叔母さんのお友達が布教所の人で」
「その縁でなのね」
「ようぼくにならせてもらって」
 そうしてというのです。
「父が継いでそれで僕なんです」
「そうなっているのね」
「はい、大叔母に子供がいなくて」
 阿波野君はこのことを自分からお話しました。
「親父が継ぎました」
「甥御さんの立場でなのね」
「それで次は僕です」
「じゃあ阿波野君が理を受け継いでいくのね」
「そうですね、大叔母僕はおばちゃんって呼んでますが」
 その人のというのです。
「理を受け継いでいんねんもです」
「切っていくのね」
「うちの家どうもいんねんが強いらしくて」
 ここで阿波野君は嫌そうなお顔になりました。
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