第六十話 朝早くからその三十
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「ここまで一人だったのね」
「一人って?」
「そう、一人なのよ」
「一人って私家族いるし」
お父さんお母さんに妹二人にお祖父ちゃんお祖母ちゃんもいます、お祖父ちゃんお祖母ちゃんはお父さんの方も健在です。大石さんもいてくれています。
「お友達も」
「もう一つあるでしょ」
「もう一つ?」
「そこがわからないのが千里が駄目なところよ」
「それでお母さんが教えなかったっていうのね」
「そうよ。けれどお母さん安心してるから」
阿波野君を見て言うのでした。
「将来が楽しみね」
「どういうことなのよ」
「初代真柱様のお話は知ってるわよね」
「あの方のこと?」
教祖様のお孫さんにあたる方です、教祖電では眞之亮様と書かれています。
「色々お話のある方だけれど」
「そうでしょ」
「ええ、本当にね」
絵本にもなっていたりします、教祖様と共に様々なご苦労をされた方です。
「あの方のことで何か」
「そう、肉を巻けってあったわね」
「教祖伝にあったわね」
「そのことよ」
「私がふせ込んで成人しろっていうの?」
「千里だけじゃなくて彼にもそうしなさい」
ここでまた阿波野君を見ました。
「いいわね」
「後輩の子をお仕込みしろっていうのね」
「そうよ、今は何でもなくても」
「しんを巻けってことね」
「理の肉を巻いていけば」
お母さんはおみちのお話をしてくれました。
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