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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第六十話 密会と引っ越し
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せば、前と同じ生活に戻るのではなく、さらに辛く、悲しい事になる。
そんな時、俺の頭に触れるナニカ。
「闇の書?」
まるで俺を慰めるように俺の周りを浮かぶ闇の書。
「闇の書? ついてきたのか」
「ついてきたって単独で動けるのか?」
突然現れた闇の書に驚くシグナムだが、単独で動ける事自体俺としては驚きだ。
「ええ、私達やはやてちゃんの前だとよく一人で動いてるんだけど」
「まあ、闇の書もはやてや私達の事を真面目に考えてくれてる士郎を信用してるってことだ」
「ありがとう、ヴィータ」
俺の言葉に顔を赤くしてそっぽを向くヴィータ。
そんな様子にシグナム達も構えを解く。
そして俺は手に持つ干将・莫耶を霧散させ、闇の書に大丈夫だという思いを込めて丁寧に触れる。
お前の主が、お前やシグナム達が幸せになれるように俺は諦めない。
そんな俺の心に応えるように再び俺の頭に触れる闇の書。
「今の俺にシグナム達を止める資格はない。
だが表立っては手を貸す事も出来ない」
「衛宮、表立って手を貸すことが出来ないというのは?」
手にあったデバイスを待機状態に戻しながら、シグナムが問いかけてくる。
「俺もはやては救いたい。
だがはやて以外にも守りたい人がいる。
彼女達のためならば剣を執るのを躊躇わない」
「その彼女達というのは昨晩の少女とテスタロッサか」
「そうだ」
俺の静かな返答にシグナム達は頭を下げた。
「海鳴に侵入した魔導師と勘違いしたとはいえ、大切な者を傷つけてすまなかった」
「もう済んだ事だ。
頭をあげてくれ。
それに他にも聞きたい事がある」
「ああ、我々が答えられる事ならな」
「ひとまず場所を変えよう」
シグナム達もバリアジャケットを解除して、俺はバリアジャケットのようにしまえないが、ベンチがある場所に移動して全員が片手にジュースを持ち、いつも通りの雰囲気で話しあう。
「で聞きたいこととは?」
「闇の書について」
「そりゃ、さっき説明したろ」
シグナムへの俺の返答にヴィータが何度も同じこと聞くな、みたいな顔をしているが
「管理局の中では闇の書はロストロギアとして扱われていた。
闇の書を完成させたらどうなる?」
「主は大いなる力を得るが」
シグナム達の表情が曇る。
まるで迷っているようだが……
「具体的には、その……覚えていないのだ」
「実際に闇の書が最後のページまで完成した事に立ちあった事自体、ほとんどないから」
シグナムとシャマルの言葉に嘘はないのだろう。
ザフィーラも頷いているし、嘘をつく意味がない。
そんな中
「なあ、闇の書が完成したら、はやては……助かる
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