暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第六十話 密会と引っ越し
[1/8]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 互いに戦闘準備を整えた状況下で

「昨日の事、説明してもらうぞ」

 俺は静かに言葉を発した。

「答えるのはかまわん。
 だがその前に一つ問いたい。
 衛宮、お前は我々の事を管理局には」
「伝えていない。
 だが」

 両手に使い慣れた干将・莫耶を握り

「返答によっては伝えるし、ここで叩き潰す」

 明確な敵意を持って答える。

 普段ならこんな血気盛んではないが、なのはを傷つけられた事にいささかイラついているようだ。

 そのままシグナム達の返答を待つ。




side シグナム

 我々に向けられた明確な敵意。

 だがそれはあの白い少女を襲われたことによる苛立ちによるものだろう。
 しかしここで衛宮を納得させることが出来なくてはその敵意は殺意に変わり、我々に降りかかるだろう。

 それがどうした。
 ここで語る事は偽りなどではなく、真実と我々の想いのみ。

 それが届かぬであれば、剣を持って斬り進む。

「事の始まりは衛宮、お前が管理局に行ってから二日後の事だ」

 ヴィータ、ザフィーラ、シャマルに視線を向け、全員が頷いたの確認して話し始めた。




side 士郎

 シグナムが語った言葉。

 それはあまりにも残酷な話だった。
 ようやくシグナム達という家族を得て、幸せな生活を送り始めたというのに。

「現状、打てる手は闇の書の完成だけなのか?」
「少なくとも我々の出来る手はこれだけだ」

 自分の主であるはやてに秘密にして、騎士の誓いを破りながらも、はやてのためだけに罪を背負う。

 はやてという『1』を助けるために、周囲の『9』に刃を向ける。

 正義の味方なら、昔の俺なら止めるのだろう。
 一人でも多くの人を守るために、はやてを切り捨てるのだろう。

 だが今の俺には出来ない。

 俺自身が進む道を迷っているというのに、答えなんて出せるはずがない。

「衛宮、お前に何かいい案はあるか?」
「……案か」

 ただの病なら布都御魂でどうにかできるかもしれない。
 だが病の原因が呪いとなると話が変わる。

 根本的な解決ならはやての病の原因が闇の書というなら闇の書との契約を切ればいい。

 俺の剣の丘にもそれが可能なルールブレイカーがある。
 だがそれは

「はやてと闇の書の契約を強制的に斬る事ならできる」

 俺の言葉に息をのむシグナム達。

「それって」
「ああ、はやてとシグナム達が別れることになる。
 だがそれは、はやてにとってあまりにも酷だ」

 ずっと一人だったはやて。
 だけど家族を得てしまった。
 温もりを知ってしまった。

 その温もりを、家族を手放
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ