第百五十九話 遠路を進みその十一
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「こっちの世界で」
「それな、僕も不安に思ってた」
この場ではこれまで沈黙を守っていた芥川が言ってきた、彼もまた茶を飲みつつそのうえで中里に応えて話した。
「実はな」
「選挙のことは」
「統一したらすぐに決めたな」
日本のそれをというのだ。
「そうしたな」
「ああ、議会も開いてな」
「しかも普通選挙や」
「男女共のな」
「あれも驚いたわ」
まさにとだ、芥川は話した。
「ほんまに」
「そやな、それで議会にな」
「知事に市長、町長、村長ってな」
「地方自治をやった」
「しかもそれがちゃんと動いてる」
「よおやったな」
「あれは何でもな」
綾乃はここで二人に話した。
「太平洋と地下世界を統一して」
「それでやな」
「それからの政を考えてやな」
「もうそれでな」
その時点でというのだ。
「分権、分割の政を考えて」
「もうか」
「日本に選挙とか地方自治導入したんか」
「それで地方は地方である程度以上に治めてもらう」
「そうしたんやな」
「そう言ってたで」
太宰自身がというのだ。
「それで都は都つまり国は国でな」
「やることやってく」
「そうしてくんやな」
「そうみたいやで」
「成程な」
「ほんま先の先見てるな」
中里も芥川も綾乃のその話を聞いて言った。
「こと政のことは太宰やな」
「あいつがダントツやな」
「そやね、それと」
綾乃はさらに話した。
「もう一つあるで」
「もう一つ?」
「もう一つっていうと」
「政府は政府で軍隊を統括してな」
そしてというのだ。
「貨幣も鋳造する」
「そうした権限を持ってる」
「そうしてくんやな」
「地方分権も大事やけど」
それと共にというのだ。
「都も都でな」
「権限持つってことやな」
「さもないと国がまとまらんって言うてたわ」
芥川にこう話した。
「太宰君は」
「地方に権限与えて分権で政して広大な領地と多大な民を治めてか」
「それと共にやねん」
「政府も権限持つか」
「そう言うてるで、あと官僚システムも」
それもというのだ。
「考えてるみたいやで」
「それもか」
「そやねん」
太平洋と地下世界全体を治めるそれをというのだ。
「登用制度もな」
「それもか」
「試験でな」
「そこまで考えてるか」
「そしてな」
「治めてくんやな」
「そうした考えみたいやで」
「何かな」
中里はここまで聞いて述べた。
「政のこと、特に内のことはな」
「凄いわ」
「ああ、もう万全にな」
それこそというのだ。
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