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夢幻水滸伝
第百五十九話 遠路を進みその九

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「それが大事よ」
「そういうことやな」
「そうよ、じゃあ日本に行きましょう」
「ほなな」 
 インペルがここで言った。
「艦隊もな」
「ええ、お願いするわね」
「出来るだけ損害出さん様にしていくわ」
「お願いね」
「台風や津波、モンスターに対してもな」
「お願いね」
 こう言ってだ、そしてだった。
 アレンカールは仲間達と共に偽情報を打ち消しその代わりに気持ちを上向かせる様なことをさせ話させてだった。
 災害やモンスターへの対処も行ないつつ日本に向かっていった、その情報は常に日本側にも届いていた。
 その情報を耳にしてだ、綾乃はこう言った。
「連合は確実にこっちに来てるね」
「そやな、ほなな」
「日本近海でやね」
「戦うことになるわ」
 中里が綾乃のその言葉に応えた。
「こちらの考え通り」
「そやね」
「ほな用意をしつつな」
「こっちはくつろいでたらええな」
「そういうことやな、弓の弦もいつも張ってたらあかんし」
 中里は綾乃にこの例えも話した。
「戦がはじまるまではな」
「そうしてたらええな」
「今まで通りな、ただな」
「ただ?どないしたん?」
「いや、この二日太宰がおらんな」
 中里は彼の名前を出して話した。
「何処に行ったんや」
「太宰君は宰相の間におるで」
「あそこにかいな」
「それでずっと仕事してるで」
 そうしているというのだ。
「そやからね」
「姿見んのやな」
「食事もそこでしてるし」
 そちらもというのだ。
「それでやで」
「姿見んのか」
「そうやねん」
「あいつは相変わらず仕事の虫やな」
 中里はここまで聞いてこう言った。
「ほんまに」
「暇があったらお仕事してるさかい」
「宰相はそれだけ大変なんやな」
「何しろ国の政の最高責任者やから」
「それでやな」
「いつもお仕事してるねん」
「そういうことやな、僕等も仕事はしてるけれどな」
 中里は今度は自分達の話をした。
「日本のトップやから何かとあるな」
「地位に応じてお仕事ってあるからな」
「綾乃ちゃんも毎日かなりの仕事してるな」
「そやで、これでもな」
 実際にとだ、綾乃は中里に微笑んで話した。
「もう毎日山みたいな書類見てな」
「印押したり書いたりしてるな」
「そうしてるで」
 綾乃は中里に微笑んだまま話した。
「実際に」
「やな」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「政が滞らん様にしてるで」
「戦をしてても国は動いてるしな」
「政もせなあかんから」
「それでやな」
「太宰君もやねん」
「そういうことやな」
「ただ、太宰君が今ずっとお部屋におるのはな」
 そのことについて綾乃はさらに話した。
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