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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第五十七話 戦う想い ★
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、先ほど入ってきた転送ポートに歩きはじめる。
そんな時
「士郎君、後悔は……しない?」
「しませんよ。
絶対に」
「管理局と戦う事になっても?」
「なのはやフェイトを守れない方が後悔します」
「……そう、気をつけてね」
「ありがとうございます」
リンディさんに振り返って一礼する。
「よし、準備できた!
ポート開くよ」
エイミィさんの言葉に転送ポートに入り、光に包まれる。
その光に包まれアースラから消える直前
「やっぱり貴方は自分を犠牲にするのね」
リンディさんのそんな言葉と共にどこか悲しそうな表情が印象的だった。
side リンディ
士郎君の魔術を使う時の詩が静かに、力強く紡がれる。
「―――
投影、開始
(
トレース・オン
)
」
そして士郎君の右手に握られたのは禍々しい血のような鮮やかな深紅の槍。
その槍を見た瞬間、その槍の存在感だけで、これがジュエルシードを壊した槍なのだと理解出来た。
「これが……」
傍で共に見ていたクロノも理解したようでじっとその槍を見つめていた。
「クロノ、下に加速するための足場がほしい。
転送した時に頼めるか」
「え、ああ、それぐらいなら大丈夫だ」
士郎君のクロノに向けられた言葉に、一瞬驚きながら、クロノが頷く。
クロノの返事に満足したようで、外套を翻して、先ほど入ってきた転送ポートに歩きはじめる士郎君。
「士郎君、後悔は……しない?」
そんな士郎君の背中を見て自然と言葉が出てきた。
「しませんよ。
絶対に」
「管理局と戦う事になっても?」
「なのはやフェイトを守れない方が後悔します」
だけど士郎君は当然のように返答をする。
やはり彼はそうなのだ。
「……そう、気をつけてね」
「ありがとうございます」
半ば呆然としながら士郎君を見送り、その姿が転送ポートの光に包まれる。
「やっぱり貴方は自分を犠牲にするのね」
彼は自分の事を軽く考え過ぎている。
光の中に消えた彼の背中があまりに遠かった。
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