暁 〜小説投稿サイト〜
同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
閉会〜金帰火来には遠すぎる〜
帝冠の共和国〜アルレスハイム王冠共和国にて〜(上)
[5/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
活を保障する為に、我々は戦っているのだと!
私、エドヴァルド・フォン・リッツはそう主張します。であるからこそ、我々は同盟市民が繁栄し成長する為に必要な仕事に迷わず取り掛かり、そして同盟政府が迅速にその職責を果たすようにはたらきかけなければなりません!」


「全国民の安全な生活を保障すること!そして社会の復興!このすべてが達成できれば、すべての構成国にとってより良き時代が訪れましょう。そして全ての国民が生活を改善し、自立した経済を構築する事で我々は専制国家に対する戦いに大いなる優位を勝ち取ることができるのであります。
これが私が皆様と共有するべきビジョンです。これが私が同盟弁務官として達成するべき使命であると確信しております」

「しかし、私たちは一緒にしかそこにたどり着くことができません。私たちは一人の人間であり、一人一人が自由意思に基づく決定権を持っています。私たちは皆が同じように血を流し、悲しみ、怒り、そして苦難に耐えています。私たちは皆、同じ普遍的な権利をもっており、それを護る為に戦っています。
そして、だからこそ私たちは皆、同じ偉大な同盟が掲げる自由の旗に敬意を表します」

「アルレスハイム国民の皆様に申し上げます。
私たちがこのビジョンを実現する為に、私たちが誰もが輝かしい黄金の自由を勝ち取る為に、私たちは戦わなければなりません。
私たちには連帯が必要です。これらのビジョンを遮る者こそが帝国軍であり、彼らを防ぐために同盟政府との連帯が必要であります。服従ではありません、連帯であります。
改めて私はセイム・元老院(セナト)、両院の議員諸賢とアルレスハイム国民に対し申し上げます。
自分の力を信じ、自分の未来を信じ、自らの意志をもって同盟政府と協力し、専制国家の侵略の手を打ち払いましょう。
大神オーディンは専制国家の貴族と彼らが恐怖により服従させている兵ではなく自由意思に基づく市民達が連帯し、専制に立ち向かう姿を祝福することでしょう」
 議事堂に響き渡る拍手にリッツは深々と頭を下げる。――アルレスハイム同盟弁務官はアスターテ後の国防方針について抜本的な方針の見直しを示した事はハイネセンの要路にも伝わるであろうことを確信しながら。



 演説が終わり、一通りの儀礼を済ませた第一野党『黄金の自由』は控室に集っている。
「‥‥‥リッツめやってくれるものだ」
 守旧派、あるいはマンフレーディスタ(王党派)と呼ばれているフォン・ハイデプラントが怒鳴り散らしている。
「奴は武勇で爵位を得たリッツ=シミグウィ一門の分家の者だろう!それが専守防衛を支持するだと!?」
 幾つもの企業の役員を兼務していた大物である。良くも悪くもアルレスハイム王冠共和国の大物であり『ハイネセンにお出ししてはいけない人』であると自他
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ