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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
閉会〜金帰火来には遠すぎる〜
帝冠の共和国〜アルレスハイム王冠共和国にて〜(上)
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す、そして全ての国はまた同様にアルレスハイム国民が自分たちのあるべき姿を描く権利を尊重しなければなりません。だからこそ、私の仕事は同盟政府を代表することではありません。私の仕事はアルレスハイム国民の皆様を代表し、同盟政府の運営に参画することであります」
再び議事堂全体から拍手が響く。即ち構成国の利益を代表してバーラトがハイネセンへと送り出す、ことこの点については党派を超えて共有されている事だ。
同盟政府を頼りにしながらも同盟政府への集権化を拒むその在り方はバーラト・エリート達の批判の的である。批判に屈しない為に同盟弁務官が居るのだ。
「私たちは、我々の住まう地域に、そして我々よりも前線に近い地域に降りかかる戦災が少なければ少ないほど、同盟が良くなる事を知っています。私たちは過去に降りかかった悲劇から学ばなければならないのです。
私たちは、多くの隣人が住う土地にて荒廃し、多くの悲しみを産みだす戦争と略奪を見てきました。
これらの非人道的攻撃に対する唯一の長期的な解決策は、避難民が安全に家に帰り、再建のロードマップを描き、それを着実に進めるよう支援する事です」
議員達の中の半数ほどがぼそぼそと会話を交わしているがリッツはそれを無視し、演説を続ける。
「そう、安全に、安全にです!つまり我々が求めているのは安全な生活であります。インフラが確立され、社会保障がいきわたり、全ての国民に平等に生活水準と安全が保障された社会を求めているのです」
リッツは朗々と声を張り上げ、ハンソン首相はニコリ、と笑った。
「この長い戦いにおいて私たちのが暮らす社会が患ってしまった病の治療法は、けして単純な物ではありません。ですが、これを乗り越えれば自由惑星同盟は人類世界に一つの偉大な節目をつくりだすことができるでしょう」
徐々にざわめきが強くなる。騒いでいるのは右派の議員達であることはリッツにもわかっていた。
「皆さんもお分かりでしょう!戦災で親を亡くした子がいます。戦災で子を亡くした老人が額に汗を流し働いています!
戦災で住まう土地を失った者が居ます!広大な土地を開発する計画が滞り、来るべき未来が訪れず、わずかな人々が身を寄せて暮らしている星があります!」
「我々はなんのために戦っているのか、少なくとも今現在はこの自由惑星同盟という国家の枠組みの中で、子供たちが愛する家族と共に暮らし、平和に学校に通うために、それこそが自由の旗を掲げる行為であることを私は確信しております。
老いた人が生活の為に働くのではなく、若い人々が働き、新たな技術を学び、使いこなす為に。まばらで孤独を強制される生活ではなく持続可能な互いに助けあう共同体を作り上げる為に。そして全ての子供が健全な環境で自由な将来を選択する為に!
そう、我々は全ての国民に安全で文化的な生
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