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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
閉会〜金帰火来には遠すぎる〜
帝冠の共和国〜アルレスハイム王冠共和国にて〜(上)
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る声が響くにつれリッカルド・ハンソン首相――左派政党、連帯社会運動の最左翼である男の口に追加の苦虫がほうりこまれてゆく。
両院合同会議の議長を務めるセイム議長のブラッテリは同志ハンソン首相の表情を見て苦笑すると本題に入るべく議事進行に取り掛かる。
「同盟弁務官、エドヴァルド・フォン・リッツ君」
・
・
・
「王冠の守護者陛下、
元老院
(
セナト
)
議員、セイム議員の皆様、ゲストと、すべての皆様、このたびは上下両院合同会議に同盟弁務官として初めてお話する機会を与えられましたことを、光栄に存じます。両院議員のお招きに、感謝申し上げます。申し上げたいことはたくさんあります。ですが、ハイネセンではともかく、この場で「フィリバスター」をする意図は小職にはございません」
会場に好意的な笑い声が響く、リッツもまた連帯社会運動出身であるが彼は公衆衛生学、特に労働安全衛生の第一人者として右派左派問わず一定の人気を得ている。
「さて、この国の情勢に関心を抱く諸国民の皆様は常にこのように問うておられるでしょう。『我々の友人たる諸国とともに運営される同盟政府は我々に何をしてくれるのか?』『こんなに税金を払っているのに!』」
再び会場に笑い声がさざめいた。
「我々にとって、最も実感できる同盟政府が行うサービスはなんでしょうか?無論、私たちがまず第一に直面する脅威は恐るべき専制国家の侵略に他なりません。そしてそれに勇敢に立ち向かうのは同盟市民から徴募、あるいは志願した将兵であります。
我々は同盟政府の指揮下戦うその全ての将兵に敬意を抱き、戦没者達に心から哀悼せねばなりません。我らが同盟として結束した人民の力は専制国家の侵略とそれが及ぼす災いを乗り越える力を持っています。人民のために戦う人々よりも偉大で勇敢な者はいません」
「我々と共に軍服を着て、血を流す英雄たちの姿は示しているのは専制国家の侵略に抗する戦いにおいて、自由惑星同盟は全ての市民に堅固で意味のある関与を求めていることです。私たちがこの自由社会を築き上げているサジタリウス腕の同盟諸国と共有しているのは、最も普遍的で神聖不可侵たる人権を守り、そして参政権により諸国民により運営される民主主義に基づく同盟政府のリーダーシップを承認していることであります。」
「私たちは、この長き戦争の悲しみと負担に耐えている同盟市民達の絆を、そして黄金の自由を守り続けてきた自由惑星同盟を強く支持します!」
議事堂全体から拍手が響き渡った。リッツはにこやかにそれが落ち着くのを待つ。
「自由社会は国民の意志を表現するための最良の手段であり、民主主義国家とはそれを立法、行政、司法により保障するものです。アルレスハイムの国民達はすべての諸国民が自分たちのあるべき姿を描く権利を尊重しておりま
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