最終章:無限の可能性
第263話「湧き続ける闘志」
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?」
「私達の意志を、舐めないで!」
―――“破綻せよ、理よ”
その僅かな時間を、緋雪は無駄にはしなかった。
圧力で立てずとも、視線は神から外さず、瞳を手の中に顕現させる。
そして、握り潰す事で理力を一気に削り取った。
「なぜだ!?なぜ絶望しない!?それどころか、この増す力……人の“意志”が、ここまで強靭なはずがない!!」
「……ふふ、そういう反応しちゃうんだ?」
「―――はっ!?」
動揺した神を見て、緋雪は笑みを浮かべる。
その事に神が気づいた時には、もう遅かった。
「理屈なんて知らないよ。……ただ、私は勝つ。それだけ!」
「ッ……かはっ……!?」
肉薄と同時に放たれた拳が、神の胴を突き破る。
「お兄ちゃんの言う通り、厄介な“性質”ではあるけど……動揺したら、こっちのものだよ。さぁ、そっちこそ絶望しなよ!!」
状況や思考が“絶望”に寄れば、それだけ効果を発揮する“絶望の性質”。
圧倒的な力を見せる事で、どんどん有利に持っていく“性質”だ。
……だが、もしも立場が逆になれば?
「(っ、み、見え……!?)」
「斬り刻め、焔爪!!」
―――“紅蓮閃刃”
最早、神には緋雪の動きが見えなかった。
緋雪は爪を連続で振るい、炎を纏った斬撃をいくつも飛ばす。
その斬撃を回避する事も防ぐ事もできずに神は直撃をもらうしか出来なかった。
「一度嵌まってしまえば、自分ですらその“性質”から逃れられないなんてね」
「ぁ……ぐ……!ま、まだだ……!」
「さすがに耐えはするけど……いつまで持つかな?」
耐える神だったが、形勢は完全に逆転していた。
圧倒されても逆転した緋雪と違い、神は自ら“倒し切れない”と思ってしまった。
そうなれば、後は“絶望”まで自分の“性質”そのものが引っ張って行く。
……既に、この神に勝ち目はなくなった。
「ぉおおおっ!!!」
一方、帝の方は、視認すら難しい程の速度で殴り合っていた。
拳と拳がぶつかる度に衝撃波が迸り、地上を揺らす。
「ッッ!!」
その動きは決して止まらず、むしろますます速くなっていく。
残像をその場に残し、拳と蹴りの応酬を繰り広げる。
「ぐっ……!!」
一際強い衝突の後、少し間合いを離して改めて対峙する。
「……“蹂躙の性質”……なるほど、常に相手を蹂躙出来る力量であれば、直接戦闘で俺とも戦えるのは納得だ……」
「………」
「だが、当の本人であるお前は納得してなさそうだな?」
“性質”を使ってい
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