今日、一つ進む時間(セレナ・カデンツァヴナ・イヴ誕生祭2020)
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晴れとしていたのを、ツェルトはその目でしっかりと見ていた。
「マリア、早く切らないとプリンが溶けちゃう」
「そっ、そうねッ!溶け切る前に分けちゃいましょうッ!」
「アタシ、ジュース持ってくるデスッ!」
「じゃあ、お皿は片付けておくね」
「わたしも手伝いますッ!」
調の一言をきっかけに、慌ただしくデザートの準備に戻っていくマリア達。
「俺はこっちを片付けるかな」
「俺も手伝おう」
そしてツェルトは、クラッカーで飛んだ紙テープを纏め、ゴミ袋へと放り込む。
アドルフ博士もサングラスをかけ直すと、ツェルトを手伝い始めた。
姉と義兄、親友たち、そして先生……大切な人達に囲まれての誕生日。
セレナの笑顔には、幸せがいっぱい溢れていた。
マリアと同じくらい大切なその笑顔を、二度と失わない。ツェルトは改めて固く誓う。
セレナもまた、ツェルトにとって大切な家族なのだから。
「いつか、セレナも大きくなるんだろうな……」
ふと、そんな言葉が口をついて出る。
「ところでツェルト……セレナの年齢は、どちらで数えるべきだと思う?」
「ん?あー……どっちだろ……?肉体的には14歳。でもあれから6年経ってるから、本来なら今日で20歳だし……」
「判断が悩ましいな……」
「先生が分からないものが、俺に分かるわけないじゃないですか」
果たしてセレナを何歳とカウントすればいいのか。
アドルフと共に、ツェルトは首を捻るのであった。
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